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北部アフリカとヨーロッパの組合、SONASID−アルセロール・ミッタルの安全衛生戦略を調整

モロッコのSONASID−アルセロール・ミッタル2工場の職場委員がIMFの会合に出席し、欧州従業員代表委員会メンバーならびにスペインUGT、フランスFGMMおよびFTM、イタリアFIOM、チュニジアFGMEから参加した安全衛生専門家と会談した。

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モロッコ2010年9月28〜30日にカサブランカで開催されたセミナーに、ヨーロッパのアルセロール・ミッタル生産拠点のいくつかと、アルセロール・ミッタルと関係の深いモロッコの製鉄会社SONASIDのナドル工場およびジョルフ・ラスファーの工場から、労働者代表が集まった。

このセミナーは、より広範なIMF戦略の一環として実施された。この戦略の目的は、異なる国で同じ多国籍企業の従業員を組織化している労働組合の間でネットワークを構築し、労働における基本的権利の尊重に向けた共同の努力を調整することである。

参加者は団体交渉経験を共有し、特にアルセロール・ミッタル工場の安全衛生条件について懸念を口にした。最近3人の犠牲者が出ているモロッコのジョルフ・ラスファー工場における不十分な安全対策に関して特に懸念が表明され、職場委員たちは、2007年から状況が全体的に悪化していることを非難した。

参加者全員が労働災害の大きな原因の1つとして、生産プロセスの一部の下請・外注が増加し、労働者がはるかに低い条件で雇用され、十分な訓練を受けていないことを挙げた。会社側は予防重視の方針を掲げているが、それとは裏腹に実際の方針は、労働災害の犠牲者である労働者に対する制裁や鎮圧対策に焦点を合わせるようになっている実態が報告された。職場委員は、ここ数年の作業編成の変更を強調した。これらの変更はすべて、安全や労働条件、雇用保障を犠牲にして利潤極大化を目指しているようであり、不安定な契約の割合が急速に増大している。

参加組合による協調的行動の共通の目的が確認された。重要な優先課題の1つは、効果的な予防策による安全条件の改善と、下請契約の利用制限とを要求することだ。下請従業員その他の非正社員の待遇の平等が、ヨーロッパの組合と北部アフリカ諸国の組合との経験・知識の共同利用を通じた安全衛生分野における緊密な連携と並んで、共通の優先的目標である。

モロッコの労働組合員がアルセロール・ミッタル・グローバル安全衛生協約の具体的な実施を緊急に監視するよう繰り返し要請し、参加者全員がこの要請を強く支持した。

[2010年10月4日――カーラ・コレッティ]