南東ヨーロッパの組合、労働者の権利の弱体化に対抗して結集
南東ヨーロッパのIMF加盟組織は、労働者の権利を守るために新しい能力強化方法の確立に取り組むことを約束した。
ブルガリア:
2010年11月2〜4日にブルガリアのソフィアで、初めて欧州金属労連と共同で組織されたサブリージョナル会合が開かれ、南東ヨーロッパのIMF加盟組織から組合幹部が集まった。この会合はフリードリヒ・エーベルト財団から支援を受けた。
議題には、特に組合構築、多国籍企業(TNC)における労働組合ネットワーク、不安定労働が盛り込まれていた。IMFは今年7月、南東ヨーロッパの組織開発に関する複数組合プロジェクトに加わった。このプロジェクトの目的は、組合機構を強化し、地域の部門別協力・訓練を促進することである。参加者は、このプロジェクトを歓迎し、その実施に積極的に参加することを約束した。また、労働組合ネットワークに関するIMF方針への支持も表明した。この地域ではTNCのサプライヤーや下請業者が数多く活動しているため、サプライチェーンにも対象を広げることの必要性が特に強調された。
ユルキ・ライナIMF書記長が、新しいグローバル産別組織の創設プロジェクトを発表した。組合幹部は、「国際・欧州両レベルで進んでいる統合プロセスは、グローバル経済で組合の力を強化するために極めて重要だ」と同意し、「このプロセスは国家レベルで組合の団結を促進するのにも役立つ」と述べた。
南東ヨーロッパは相変わらず危機の劇的効果に苦しんでおり、国内製造業と持続可能な開発を支援する効果的な産業政策がない。機構改革と民営化の結果、多くの場合インフォーマル経済で不安定労働が急増しており、労働者の権利が侵食されている。だが組合は、規制撤廃政策と労働法改革に対抗して結集しており、集団行動によって雇用を保護できることを示した。その一例として、この会合ではマケドニア産業・エネルギー・鉱山労組(SIER)が挙げられた。同労組は、国内最大手のニッケル鉄メーカー、フェニ・インダストリーズで200人分を超える雇用の保護に成功し、労働者の未来を確保した。
他の多くの国々と同様に、この地域でも年金制度改革が最も重要な政治課題となっている。ブルガリアでは議会が労働組合と合意に達し、修正改革案を採択したばかりである。労働組合の適切な関与なしで作成された改革法案に組合が強く抗議した結果、首相は旧改革案を撤回した。
参加者は、2011年6月にドイツで開催されるEMF大会の準備についても議論した。IMFとEMFは引き続き緊密に協力し、この地域で労働者の基本的権利と組合開発を支持して力を合わせていく。
[2010年11月8日――アンヌ=マリー・ミューロー]
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