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新興独立国における労働組合権の侵害を中止せよ

モスクワのITUC会議で、IMF加盟組織は新興独立国(NIS)とともに、政府・使用者がILO条約によって保障された基本的権利を尊重するよう要求した。

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新興独立国近年この地域では労働組合権に関して明るい進展がまったくない――これが、12月3〜4日にモスクワで開催された国際労働組合総連合会議「NISにおける民主主義と労働組合権の構築」の参加者が下した結論だった。

「約2億人の健常者がいる国々で、労働者の実質的な保障がゼロに近づいている状況にある」と、代議員が採択した最終合意文書は述べている。

この代表的な大規模会議には、アゼルバイジャン、アルメニア、ベラルーシ、グルジア、カザフスタン、キルギスタン、モルドバ、ロシア、ウクライナの組合幹部・活動家や、ITUCとその汎ヨーロッパ地域評議会(PERC)、ヨーロッパの労働組合、IMFを含むグローバル・ユニオン・フェデレーションおよびNGOの代表、それに研究者、労働組合員、ジャーナリストが出席した。

侵害の内容はさまざまで、例えばロシアでは、労働組合のリーフレットが「過激派資料」のリストに掲載されている。ベラルーシでは、年間契約システムが組合差別の手段として利用され、労働者の90%が対象に含まれている。グルジアでは、条項数が55しかなく、労働組合の法的保護をほとんど保証していない不完全な労働法が導入されているが、このような傾向は至るところで見られる。使用者と政府は、ILO条約で保障された結社の自由に対する労働者の基本的権利を侵害している。

この会議には、保健省、法務省、検察局など、さまざまなロシア政府機関の当局者が出席した。会議では、労働組合員と政府代表が直接かつ熱心に対話することができた。ロシア議会労働・社会政策委員会のアンドレイ・イサエフ委員長が、労使関係に関する立法作業について話した。

地域全体の一次組合組織から参加した活動家約15人が、使用者と当局から圧力が加えられている現状を報告した。短い報告のそれぞれの背景には、数カ月、いや時には数年に及ぶ闘争や迫害、不当解雇、差別、激しい抵抗の歴史があった。

労働組合の代表が採択した最終合意文書は、労働組合の連帯を強化するとともに、教育活動を実施し、強力な労働組合を構築して労働組合権の保護・開発を求める全国・国際キャンペーンを実施するよう要求している。

「皆様方は近年、大きな進歩を遂げた」とシャラン・バロウITUC書記長は地域の労働組合代表を前に語り、「皆様方を祝福すると同時に、より一層の努力を促したい」と付け加えた。

[2010年12月14日――イリヤ・マトベーエフ]