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IMF、ILO会合でメキシコの鉱山労働者の状況を強調

IMFラテンアメリカ・カリブ海地域代表は、雇用不安の影響と使用者が結社の自由の承認を拒否している現状を強調するとともに、部門レベルで全国・国際団体交渉を強化するためにILOとの協力促進も求めた。

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チリ30を超える南北アメリカ諸国の政労使代表が、チリのサンティアゴで開かれた第17回国際労働機関(ILO)アメリカ地域会議に出席した。この会議は2010年12月17日、米大陸でディーセント・ワーク・アジェンダを促進する取り組みの強化を要求して終了した。

代議員の要求は、ディーセント・ワーク・アジェンダの促進、結社の自由と団体交渉の尊重、社会保障に関するILO条約第102号の批准、社会的一体性を伴う競争力のある経済、労働基本権、労働市場の制度化だった。

この会議でホルヘ・アルメイダIMF地域代表は、3つの問題、すなわち雇用不安、結社の自由および団体交渉を強調し、次のように提案した。

1. ILO三者宣言で言及される条約を考慮に入れる方法で、OECDガイドラインとILO三者宣言を調和させること。
2. 部門レベルで全国・国際団体交渉を強化するために、部門別研究に関するILOの技術支援・協力を促進すること。
3. 同代表は、TNCの新しい組織形態、特に新しい生産方法が雇用不安に及ぼす影響(例えばアウトソーシング)や、結社の自由に関するILO条約第87号の不遵守(例えばグルー ポ・メヒコとメキシコ全国鉱山労組)について、研究が実施されていないことも指摘した。

「向こう4年間に焦点を当てた合意文書を作成するチャンスだ。この4年間に、南北アメリカでディーセント・ワークを促進する機会があるだろう。この機会を無駄にして労働条件の悪化を放置すれば、雇用不安、搾取、紛争への道をたどることになる」とアルメイダは述べた。

アルメイダは、「労働組合民主主義の絶対的価値として結社の自由を守らなければならず、自由で独立した民主的組織は結社の自由に対する権利を絶対に放棄してはならない」と付け加え、「団体交渉は労使関係を規制し、職場の問題を解決し、労働の利益を共有するための不可欠な手段と考えなければならない」と述べた。団体交渉の影響は職場をはるかに超えて広がり、地域社会の生活条件や開発見通しにまで及ぶため、軽視してはならない。

アルメイダはメキシコの鉱山労働者の状況も強調し、多くの企業が職場の安全衛生にまったく投資しておらず、結社の自由を侵害していることを指摘、「例えばグルーポ・メヒコの場合、パスタ・デ・コンチョス鉱山における産業殺人から2月19日で5年目を迎える。この鉱山では、63人の労働者の遺体がまだ収容されていない」とアルメイダは述べた。さらに同代表は、「メキシコ政府とグルーポ・メヒコはメキシコ全国鉱山労組の自主性を侵害しており、メキシコの法律も結社の自由を妨害している」と付け加えた。

アルメイダは、IMFがILOに2件の苦情を申し立てたことを説明した。2006年の最初の苦情では、鉱山労組に対するグルーポ・メヒコの反労働組合的な態度を、2009年の2本目の苦情では、結社の自由を制限する保護協約と公式手続き(toma de nota)を問題にした。この2番目の苦情はILOに対し、ILO条約第87号を国内法に組み入れて民主的な労使関係を奨励するために必要な措置の実施をメキシコ政府に求めることを要求していた。

[2011年1月7日 バレスカ・ソリス]