IMFとICEMが南アフリカのユミコア工場を視察
IMFとICEMは1月24〜26日、ユミコア国際枠組み協約の実施の一環として、南アフリカ共和国ポート・エリザベスのユミコア工場を視察した。このところ各工場の現地経営陣と労働組合との間で問題が発生しているため、この視察は労働者にとって積極的かつ建設的な結果をもたらすうえで不可欠なものとなった。
南アフリカ:
ベルギー系非鉄金属グループのユミコアが2007年にIMFおよび国際化学エネルギー鉱山一般労連(ICEM)と締結した国際枠組み協約(IFA)の定めに従って、IMFとICEMは今年、南アフリカでユミコア工場視察を実施した。
このところポート・エリザベス各工場の現地経営陣と労働組合との間で問題が発生していることを踏まえて、IMF/ICEM代表による今回の視察では、積極的かつ建設的な評価を行い、労働者がいくつかの未解決問題を解決できるよう援助した。
2009年の中国視察、2010年のブラジル視察に続いて、今年はユミコア南アフリカが視察の対象となった。参加者には、ACV-CSC METEAベルギーのIMF代表リュック・トライアングル、ICEMのケマル・オズカン、ユミコア欧州従業員代表委員会委員長のピーター・カム、地方労働組合、化学エネルギー製紙印刷林業関連労組(CEPPWAWU)、南アフリカ全国金属労組(NUMSA)が含まれていた。ユミコアからは、イグナス・デ・ロイトル人事担当上級副社長、ガイ・イーシアーEHS担当上級副社長、マルク・ドルフィン人材開発担当取締役が参加した。
ミッションの結果、具体的な成果がいくつかあった。
●両工場を統合するという同社の決定に関して組合が懸念を表明したあと、現地経営陣は合併の影響、両工場の労働条件、労働組合代表、団体交渉をめぐって地方労働組合代表と協議することに同意した。
●会社と労働者の安全を強化するために採用手続きにあたって嘘発見器による検査を実施する方針は、組合代表の間で評判がよくない。ミッションは、「労働者の安全確保という同社の目標は共有するが、労働組合と対話し、現在利用されている方法を見直すべきだ」と結論づけた。
●現地経営陣は、人材斡旋会社の利用を大幅に減らすことにも同意した。現地のユミコア関連会社は今後、常用労働者と長期契約労働者だけを雇用し、人材斡旋契約の慣行をほぼ完全に廃止することに同意した。
●ミッションのその他の成果として、工場レベルにおける体系的な社会的対話や、社内の訓練・教育方針に関する対話が強化された。
IMF/ICEM代表は、地方労働組合であるCEPPWAWUとNUMSAの素晴らしい活動に感銘を受け、将来社内で社会的対話を改善していく基礎を築くうえで、現地・本社経営陣が重要な役割を果たしていることも確認した。今回の視察は、2011年4月に経営側との次のIFA監視委員会で評価される。両GUFは2011年9月のIFA更新に備えている。
国内・国際労働組合代表団は、地元企業「UMICARE」が出資する社会プロジェクトも視察した。このプログラムは、規模は小さいが、この極めて貴重な機会を与えられた子どもたちが学校に通い、よりよい人生を送れる可能性を高められるようにしている。
[2011年1月27日――チェリッセ・フレドリクス]
|