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バングラデシュの船舶解撤場で爆発事故、労働者4人が死亡 バングラデシュ・チッタゴンのシタクンダにあるマック・コーポレーションの船舶解撤場で爆発事故が発生し、労働者4人が死亡した。IMFはバングラデシュ政府に対し、責任者を法に基づいて裁くよう要求している。 バングラデシュ: 2011年1月18日、バングラデシュ・チッタゴンのシタクンダにあるマック・コーポレーションの船舶解撤場で大爆発が起こり、労働者4人が死亡、1人が大やけどを負った。報告によると、爆発は船舶の燃料タンクを取り外していたときに発生し、2マイル先まで音が聞こえたという。爆発の衝撃は極めて大きく、18歳の労働者ミラジは100メートルも吹き飛ばされ、病院で亡くなった。ミラジはわずか3日前に入社したばかりだった。 船舶解撤労働者のリトン(35歳)とジュバイエド(22歳)の遺体は、消防士が火を消し止めたあと事故現場から収容された。ミラジは全身やけどで午後2時30分に亡くなり、別の労働者リュベル(25歳)はその15分後にチッタゴン医大病院で死亡した。もう1人の負傷者は全身の50%にやけどを負って治療を受けており、軽傷ですんだ同僚は応急処置を受けたあと帰宅した。 その後、高等裁判所は1月19日に自発的命令を出し、後続の命令が出されるまで国内であらゆる種類の船舶解体を中止するよう政府に指示した。高等裁判所の裁判官は、海岸から不潔で危険な船舶を撤去するよう命じた。高裁は、船舶解撤場の所有者マスター・アブル・カセム、船舶解撤会社所有者協会副会長、関連当局者に対して法廷侮辱罪も言い渡し、1月28日に出廷を命令した。 また、チッタゴン港湾委員会に対しても、7日以内に3人編成の専門委員会を設置し、シタクンダの爆発事故を調査するよう命令した。 新聞報道によると、シタクンダ船舶解撤場では過去21カ月間に16回の爆発事故が発生し、30人もの労働者が死亡、その他16人が手足を失った。加えて、そのほかにも大勢の労働者が軽傷を負っているが、その人数は記録されていない。 皮肉にも、2009年3月17日の高等裁判所による禁止命令にもかかわらず、環境省はマック・コーポレーション所有者のマスター・カシムに、2010年12月に危険な船舶を解体のために輸入する仮入港許可を与えた。 2009年3月、高等裁判所は政府に対し、環境許可を受けずに操業しているすべての船舶解撤場を2週間以内に閉鎖するよう命じ、すでに輸入された船舶からの荷下ろしを禁止した。また、輸入された船舶の政府による精査も指示した。高裁は、輸出元かバングラデシュ領土外で毒素を除去しない限り、国内に船舶を持ち込んではならないと命令した。その後、最高裁判所が船舶解撤場の閉鎖に関する高裁命令の執行を猶予したが、この命令のその他の部分はすべて維持した。裁判所が政府に、入港許可がなければ新しい解撤場の操業開始を認めないよう指示したにもかかわらず、その後、船舶解撤場の数は36カ所から100カ所以上に増えている。 加えて、裁判所は環境・森林省に対し、1989年のバーゼル条約によるバングラデシュ政府の約束、1995年環境保全法および1997年環境保全規則に基づき、船舶解撤に関する規則を策定するよう指示した。 『デイリースター』紙の報道によると、現行環境法で船舶解撤場は環境許可の取得を義務づけられているが、多くの解撤場が許可を得ずに活動している。報道によると、船舶を解体するための適切な設備や近代的な施設がないまま許可を申請した船舶解撤場が50カ所ある。 バングラデシュ金属労働者連盟とバングラデシュ金属労働者同盟は、警察に船舶解撤場所有者に関する苦情を申し立て、政府に事故の責任者を法に基づいて裁くよう要求している。 [2011年1月24日――G・マニカンダン]
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