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メキシコ議会、退行的な労働法改革めぐり審議

IMFはメキシコの独立労働組合運動とともに、早ければ今週にも議会を通過する可能性のある労働法改革案を非難している。この「改革」はメキシコの労働者の権利を著しく損なうものであり、阻止しなければならない。

メキシコ制度的革命党(PRI)に所属する国会議員は3月10日、労働改革法案を提出した。この法案は与党・国民行動党(PAN)の全面的な支援を得ており、もし導入されればメキシコの労働者の権利が大幅に弱められる。

主だった実業家から広く支持されている同法案は、メキシコ議会で緊急に処理されることになっており、早ければ今週にも採択される可能性がある。

労働法改正案が導入されれば、労働コストの削減、労使関係に対する幅広い企業統制の維持、雇用保障の破壊と貧困の悪化、労働者の権利や人権の侵害など、大きな影響が及ぶことになる。

改革の要点は以下のとおり。

●法律において、労働協約や組合協約ではなく労働者との個別契約を結ぶ使用者の権利を優先する。
●不当解雇の場合に使用者に課せられる負担や費用を軽減するために、例えば逸失賃金の支払いを12カ月分以内に制限する。現在、労働委員会による事件の審理は4〜5年遅れることが頻繁にある。
●労働者を保護することなく、一方的に労働を外部委託や下請けに出す権利を拡張する。この下請契約案によって、使用者は自らの責任を忌避・回避し、労働者に雇用保障や組合加入権、適正賃金をめぐって交渉する可能性、社会保障を受ける権利を与えないようにすることができる。
●「保護協約」を存続させ、若年労働者の外部委託や下請契約、臨時契約、条件付契約の利用によって組合の分裂を助長できるようにする。
●法律において、全国組合機構への分野横断的な加盟を禁止して企業別組合の原則を規定することにより、結社の自由に対する権利を直接侵害する。これは国際労働権条約とメキシコ憲法に違反する。
●労働者に損害を与える一方的な賃金決定を認める(最低賃金の概念を実質的に撤廃する、使用者が労働条件を押しつけられるようにし、見直しの余地を与えないなど)。
●労働契約に定めがあるかどうかに関係なく労働時間を調整する自由を与え、使用者が必要生産量に応じて日々変更を加えられるようにする。
●仕事で病気にかかったり永続的な損傷を負ったりした場合に社会保障を受ける権利を労働法から削除し、純粋な行政上の管理区分に移す。

このPRIの施策は民主的組合の確立を著しく弱体化させ、労働者に対する企業統制を強化する。例えば、労働者は労働協約を要求したりストを実施したりする際に追加的な要件を課せられ、労働組合によって正式に代表されるまで、さらに厳しい報復を受けることになる。

IMFはPRIが提出した法案に強く反対しており、現在、この法案に対抗してどのような措置を講じるべきかをめぐり、メキシコ国内外のすべての提携組合と協議しているところで、その結果に基づいて間もなく国際連帯支援を要求する予定である。

メキシコの状況とメキシコの労働組合権を擁護して先ごろ実施された国際的行動に関する詳しい情報については、下記サイトを参照: http://www.imfmetal.org/mexico2011

[2011年3月21日――アニタ・ガードナー]