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スロベニアの組合、新しい形態の不安定労働の導入に抗議

IMF加盟組織のSKEIも加わっているスロベニア自由労働組合連合は、スロベニア政府が新しい形態の不安定労働を導入しようとしていることに抗議し、連帯抗議文の送付を呼びかけている。

スロベニアスロベニア政府が新しい形態の不安定労働の導入を計画していることに対して、IMFはスロベニア自由労働組合連合(AFTUS)とともに抗議書簡の送付を呼びかけている。この計画が実施されれば、労働者の権利が著しく損なわれるだろう。

スロベニア政府が提案している新法は、失業者や学生、年金受給者に月60時間、年720時間の雇用を認めているが、同時に権利を削減する内容となっている。例えば、賃金引き下げに加えて、労働関連コスト(仕事中の食費、通勤費、出張旅費)の支給、病気休暇手当や育児休暇手当、休暇手当、退職手当、年次休暇が廃止される。

「この形態の労働が実施されれば、競争力の強化を名目に、不安定労働が増加するとともに、期限の定めのない雇用(現在の原則)や有期雇用(例外だが原則になりつつある)が減少し、社会的阻害や貧困が悪化することは間違いありません」とAFTUSは書いている。

「特に、女性とサービス部門労働者に影響が及ぶでしょう。この形態の労働は契約雇用に代わる管理しやすい安上がりの代替手段になり、今後、社会的に安定した賃金の高い雇用への架け橋ではなく、そのような雇用の確保を妨げる壁になる、と私たちは確信しています」

AFTUSは労働者の権利を守るために、2011年4月10日実施予定の国民投票を支持する4万人分以上の署名を集め、この問題に関する一般向けキャンペーンを実施している。しかし、政府が選挙・国民投票運動法改正を採択したことで、AFTUSは強い抵抗に遭っている。この改正によって政府は、組合予算の3倍を超える10万ユーロをキャンペーンに投入できるようになった。

「AFTUSは、この新しい形態の不安定労働の実施に強く反対しています。これは労働者の権利を著しく損なう措置です。私たちの取り組みを支援し、スロベニアの首相と労働・家庭・社会問題大臣、議会議長に抗議文を送るようお願いします」

IMFはスロベニア政府への書簡で、新しい形態の不安定労働の導入によって労働者から権利を奪う計画の中止を要求した。

「失業者や学生、年金受給者の雇用権を制限する計画は、必然的に常用雇用を弱体化させ、家族が将来の計画を立てられないようにし、貧富の格差を広げ、女性と若年者に最も大きな影響を与えます」とユルキ・ライナIMF書記長は述べた。

IMF加盟組織は、この新しい形態の不安定労働に反対して、下記宛に抗議書簡を送るよう勧められている。

Mr Borut Pahor
Prime Minister Government of the Republic of Slovenia
Gregor?i?eva 20, 25
1000 Ljubljana Slovenia
Eメール:gp.kpv@gov.si
ファックス:+386 1 478 16 07

Ivan Svetlik, Ph.D.
Minister of Labour, Family and Social Affairs
Ministry of Labour, Family and Social Affairs
Kotnikova 5
1000 Ljubljana
Slovenia
Eメール:gp.mddsz@gov.si
ファックス:+386 1 369 78 32

Pavel Gantar, Ph.D.
President of National Assembly
National Assembly of the Republic of Slovenia
?ubi?eva ulica 4
1102 Ljubljana
Slovenia
Eメール:gp@dz-rs.si
ファックス:+386 1 478 94 45

下記のEメールかファックスに抗議文の写しを送付のこと。

AFTUS
Eメール:zsss@sindikat-zsss.si
ファックス:+ 386 1 231 72 98


関連リンク:
AFTUS solidarity appeal to stop new precarious work proposal (pdf)
IMF Letter to Solenian government on workers' rights (pdf)


[2011年3月18日――アニタ・ガードナー]