TNC労働組合ネットワークにはコーディネーターが不可欠
TNCで労働組合ネットワークの調整に取り組むIMF傘下の労働組合員が3月にブラジルで会合を開き、国境を越えたグローバルな連帯や行動の確立・強化において、さらに大きな役割を果たすにはどうすればよいか議論した。
ブラジル:
IMFは2011年3月24〜25日にリオデジャネイロでTNC労働組合ネットワーク・コーディネーター会合を開いた。会合の目的は、2010年12月にTNCの労働組合ネットワークに関するガイドラインが発表されたことを受けて、TNC労働組合ネットワークへのIMFの取り組みをさらに深めることだった。この会合には20カ国のTNC労働組合ネットワーク専門家が出席し、実践的経験を共有した。
会合の冒頭から明らかになったのは、ネットワーク構築への取り組みは地域によって大いに異なり、参加者自身の経験にも左右されるということだった。会合で取り上げられたTNC労働組合ネットワークには2種類あった――経営側に承認されたネットワークと、経営側抜きで発展したネットワークである。
最初のプレゼンテーションでは、ゲルダウとテナリスの世界ネットワーク・コーディネーターである全米鉄鋼労組のホルヘ・ガルシア・オルガレスの実践的経験に焦点を当てた。ホルヘは、コーディネーターとして講じる必要がある実践的措置について説明し、例えば良好なコミュニケーションの確保、ネットワーク内部における信頼関係の構築、行動計画の立案を挙げた。続いてTNCネットワーク・コーディネーターの経験をめぐってパネル・ディスカッションが行われ、ネットワークの成否は地方組合に国際的に活動する意思があるかどうかにかかっていることが強調された。加えて、TNC労働組合ネットワークは関係を構築しながら少しずつ形成されるものであることも指摘された。さらに、コーディネーターはネットワークを機能させるにあたって中心的役割を果たす。
2番目のパネル・ディスカッションでは、TNC労働組合ネットワークにおける行動計画の成果と目標を取り上げた。このパネル・ディスカッションの焦点は、どうやって各国で地方組合の関心を引きつけるか、各当事者はネットワークでどのような役割を果たすべきかという問題だった。そのほか、あらかじめどのような準備作業を実施しなければならないか、会社側はどのようにネットワークに反応するかも話題になった。パネリストによって経験が異なり、ほとんどの場合、IMFが中心的役割を果たさなければならないとの考えが示された。ネットワークを成功させるには、地方組合指導部も関与させなければならない。行動計画の立案に関しては、フリーサイズのアプローチの採用は不可能と思われる。
CNM-CUTがTNC労働組合ネットワーク・コーディネーター用の訓練マニュアルについて発表したあと、参加者は、IMFが今後の利用のためにどんな資料を開発できるかをめぐり議論した。当然のことながら、ネットワーク構築の経験がない国々については、教材を開発して知識を深める必要がある。経験のある国々からは、既存のネットワークをもっと分かりやすく説明してほしいと要請があった。したがって、IMFは両方の要求を満たすアプローチを開発すべきである。すなわち、必要に応じて教育プログラムを実施するとともに、既存のネットワークの概観を示す事例研究に基づく出版物を作成しなければならない。
最後のパネル・ディスカッションでは、他のグローバル・レベル協約についてIMF内部のマンデートを考案する必要があるという問題に焦点を合わせた。広範囲にわたる議論の結果、参加者によって意見や理解が異なることが浮き彫りになった。
会合の最後にコミュニケーション・ワークショップが開かれ、参加者はコミュニケーションの良い例と悪い例について話し合ったのち、本会議に折り返し報告した。良い例は、計画立案とルールの必要性、適切な手段の開発、組合間の理解の構築を強調していた。
[2011年3月29日――ロブ・ジョンストン]
|