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殺害されたメキシコの鉄鋼労働者を追悼

マリオ・アルベルト・カスティーリョ・ロドリゲスとヘクター・アルバレス・ゴメスの死後5周年にあたって、国際労働運動はメキシコのラサロ・カルデナスを行進するとともに、SNTMMSRMの組合員に対する暴力の問題を強調する新たな証拠をILOに提出した。ILO提訴(事件第2478号)で指摘されたロドリゲスとゴメスの殺害事件は依然として未解決である。

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ジュネーブ/メキシコメキシコで組合の自主性を守るためのストに参加していた2人のメキシコ全国鉱山・金属・関連労組(SNTMMSRM)組合員、マリオ・アルベルト・カスティーリョ・ロドリゲスとヘクター・アルバレス・ゴメスが射殺された事件から5周年を迎えた4月20日、SNTMMSRM組合員に対する政治的迫害を強調する新たな証拠が4月20日に国際労働機関(ILO)に提出された。

新しい証拠は、メキシコ政府に組合の自主性の尊重を要求するILO事件第2478号を裏付けている。この苦情が最初に申し立てられたのは2006年3月のことで、それからちょうど1カ月後、メキシコ軍に支援された900人の連邦・州警察隊がシカルツア鉄鋼工場に突入し、選出された指導者であるナポレオン・ゴメス・ウルティアを政府が解任したことに抗議して48時間の全国ストに参加していた鉄鋼労働者を立ち退かせた。

この苦情は、メキシコ政府が大手採鉱会社グルーポ・メヒコと共謀して、以下のようにSNTMMSRM組合員を迫害し続けている実態を明るみに出した。

●ロドリゲスとゴメス、レイナルド・エルナンデス・ゴンサレス、フベンティーノ・フローレス・サラスの未解決殺害事件
●マリオ・ガルシア・オルティス襲撃事件とマリオの妻のマリー・エレーナ・デロス・サントス・エチェバリア誘拐事件
●組合銀行口座の凍結
●フアン・リナレス・モントゥファルの不法監禁
●ナポレオン・ゴメスとSNTMMSRM指導部に対する根拠のない刑事告発
●無数の暴力・脅迫事件

ILO結社の自由委員会はメキシコ政府に対し、これらの犯罪を調査して折り返しILOに報告するよう再三にわたり要求している。

メキシコのラサロ・カルデナスでは、SNTMMSRMが追悼日に臨時総会を開催した。総会では、ロドリゲスとゴメスの家族、ナポレオン・ゴメス、USW、それにタスコとカナネア、ソンブレレテでスト中のSNTMMSRM組合員の代表が挨拶に立った。参加者たちは組合本部から町の中心部に向かい、ロドリゲスとゴメスの記念碑があるシカルツア鉄鋼工場前まで行進、「2人の受難者のモニュメント」に花を手向けた。

AFL-CIOは4月18日、2011年のジョージ・ミーニー=レーン・カークランド人権賞をナポレオン・ゴメスに贈ると発表した。年間ミーニー=カークランド賞は、AFL-CIOの最初の2人の会長の名をとって1980年に創設され、労働組合による国際人権闘争の顕著な例を表彰する。これまでの受賞者には、ジンバブエのウェリントン・チベベ、インド自営女性協会創設者のエラ・バット、リベリア人のゴム労働者、コロンビアの活動家イェシカ・オヨス、エジプトの独立労働運動が含まれる。

[2011年4月21日――クリスティン・ピーター]