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ブリヂストン南アフリカ労働者が職場に復帰

5月19日に8週間のロックアウトが終了し、ブリヂストン南アフリカの労働者が職場に復帰した。ロックアウトを合法とする労働裁判所の不利な判決を受け、ロックアウトが実施された2カ月にわたって労働者が苦難に耐えてきた状況を十分に考慮して、南アフリカ全国金属労組(NUMSA)は労働者とともに職場復帰を決定した。

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Bridgestone workers march to the plant in Port Elizabeth to present their demands

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南アフリカブリヂストンとの長期に及ぶ闘争が始まったのは、2010年8月にタイヤ部門との賃金交渉が行われたときだった。使用者側は、自分が所属する等級の上限を超える賃金を得ている労働者(特別賃金労働者)の人数を問題にした。両当事者は、全面的な賃上げについてのみならず、これらの労働者の賃金を当該等級の上限に抑える方法を模索することについても合意した。タイヤ産業の特別賃金労働者に関する賃下げ方式が、ブリヂストンを除くすべての当事者と取り決められた。NUMSAが異議を唱えたことを反映して、協約にはブリヂストンが個別項目として明記された。この協約に基づいて、NUMSAは1カ月前から他社で実施していたストを終了するとともに、ブリヂストンでのストライキを誠実に中断し、特別賃金労働者の立場に関して同社とさらに交渉しようとした。

その後、ブリヂストンは「NUMSAが特別賃金労働者の賃下げに関する提案を受け入れない場合、当社は協約全体に拘束されない」と発表した。つまり、ブリヂストンは他のすべての労働者約1,050人と「特別賃金」労働者について、協約に定める全面的な賃上げを実施する義務を負わないということである。またブリヂストンは、同社に代わって協約を承認する業界団体の権利にも異議を唱えた。これは集中交渉制度を弱体化させる可能性がある。

この問題は仲裁に付託され、速やかな審議が求められたにもかかわらず、2010年12月上旬から2011年2月下旬にかけて3回の審議を要した。仲裁者は2011年2月22日の裁定で、「ブリヂストンは、使用者団体が締結した産業別協約に拘束され、特別賃金労働者以外の労働者について、協約に定める賃上げ分を支払うべきである。NUMSAとブリヂストンは、各自の等級の上限を超える収入を得ている労働者に適用される賃下げ方式について合意するために、引き続き交渉すべきである」と述べた。NUMSAは、そのような合意に達するためにブリヂストンを交渉の席に着かせ、特別賃金労働者に関する産業全体の立場を受け入れさせようと繰り返し試みた。ブリヂストンは頑なな態度を崩さず、2011年3月22日、日本の大震災で産業全体の需要が減退した状況につけ込んで、両工場で1,200人の労働者全員をロックアウトし、同社の一方的な立場を組合に認めさせようと攻勢に出た。

この時点でNUMSAは、組合員ならびに南アフリカ国内外の他の組合に連帯支援を求めた。アフリカのIMF加盟組織はこの要請に応じ、ほとんどの加盟組織がNUMSAに連帯書簡を送り、ブリヂストンに中央交渉プロセスの尊重を要求した。域外のいくつかの組合、特に他国でブリヂストン労働者を組織化している一部の組合もブリヂストン南アフリカに書簡を送り、「組合員がいる同社工場で行動を起こし、NUMSAを支援する用意がある」と警告した。

NUMSAは労働裁判所に禁止命令を申請し、交渉しようとしているだけでストは実施していないのだから、ロックアウトは違法であると宣告するよう求めた。しかし裁判所は、「ストは中断されているだけなのでロックアウトは合法的である」という技術的解釈に基づいて判断を下した。この2011年4月15日の裁定は予想外だった。というのも労働組合は、交渉を再開したり、当事者間の緊張を和らげたり、争議行為が長引いた場合に労働者に対する圧力を軽減したりするために、誠実にストを中断することが多いからだ。この先例を作る裁定がブリヂストンのロックアウトを合法とみなしたことにより、今後、労働側はスト中断を1つの手段として利用しにくくなる。NUMSAはこの裁定に異議を唱えており、上訴しようとしている。

NUMSAはブリヂストンでストを再開し、4月25日に日本大使館まで行進してロックアウトに介入するよう要求した。大使館はNUMSAに対し、「日本政府は、すべての日系多国籍企業に進出先の国の労働法に従うよう促しているが、団体交渉問題に介入することはできない」と述べた。

スト中の労働者は5月上旬にもポート・エリザベスとブリッツのブリヂストン工場まで行進し、特別賃金労働者に関する産業別協約の尊重とロックアウトの終了を要求した。国内外での圧力の高まりにもかかわらず、ブリヂストンは態度を変えようとしなかった。

ロックアウトの間、ブリヂストン南アフリカはNUMSAへの関与を拒否し、労働者に「職場に復帰したければ、賃金提示額の受け入れに個人的に同意しなければならない」と述べ、実質的に同労組を締め出して団体交渉権を弱めた。この論争を起こす問題は、特別賃金率の対象となる少数の労働者にかかわるものであったため、収入を断たれた労働者が疲弊して弱気になり始めるのは時間の問題だった。会社側は労働者の団結を攻撃するために卑劣な戦術も利用し、例えば以前に解雇した元労働者を雇って雇用面から脅しをかけた。

労働裁判所がロックアウトを合法とみなしたとき、NUMSAは力の均衡が変わったことを悟った。同労組は、おとなしく屈服せずに抵抗することに決めた。これは団結による力のおかげでここまで闘ってきた労働者の努力を尊重する決断だった。NUMSAはスト再開によって象徴的に力を取り戻し、労働者に、要求を掲げて大使館とブリヂストンまで行進して士気を高めるチャンスを与えた。

ブリヂストンは、労働者を犠牲にしてわずかな利益を得たかもしれないが、従業員の誠意や労使関係全般に関して多大な損失を被り、国際的に会社のイメージを傷つけることになった。NUMSAはこの争議の間中誠実に行動し、労働者間で実に幅広く連帯が表明された。ブリヂストンの労働者は、経営側が非協力的な態度を取ったために、自分たちが不要な苦痛を被る結果になったことを知っている。労働者たちは、最初のストがタイヤ産業とブリヂストン労働者の圧倒的多数のために成果を上げたことを忘れていない。

イルヴィン・ジムNUMSA書記長は、ブリヂストンの労働者の抵抗に感謝している。「ブリヂストンの組合員が職場委員とともに長期にわたって確固たる連帯を表明し、使用者による暴力的な組合攻撃に断固として抵抗してくれたことに感謝したい。労働者たちは、『ブリヂストンには行動力のある献身的な組合員がおり、NUMSAが各工場を効果的に組織化している』という明確なメッセージを送った」。同書記長は続けて言う。「労働者が職場に戻ったというだけで、当組合と組合員がブリヂストンの一方的な主張を受け入れたということにはならない。闘いは終わっていない。私たちは労働者のために勝利を収めるまで、この搾取的な使用者と繰り返し闘う覚悟がある」

[2011年5月28日――アイシャ・バハドゥール]