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インドネシアの労働者にとって画期的な法的勝利 ジャカルタ中心部のインドネシア国家裁判所は、労働者を保護するための社会保障法を実施しなかったことについて、インドネシアの大統領、副大統領、議会議長および8人の大臣に有罪判決を言い渡した。 インドネシアでは社会保障制度の改革を目指す長期に及ぶ闘いを経て、IMF加盟組織インドネシア金属労連(FSPMI)の主導のもと、社会保障行動委員会(KAJS)と呼ばれる労働組合と非政府組織の連合が、公式・非公式部門の労働者に社会保障による保護を提供するために法的な救済を求める運動を開始した。原告側は大統領と副大統領、議会議長および8人の大臣を被告とした。 27回に及ぶ審理を経て、裁判所は以下のとおり判決を下した。 1. 2本の社会保障法を実施しなかったことについて被告全員を有罪とする。 2. 被告が国家社会保障制度を設立するための規則の導入によって社会保障法を実施すべきことを宣言し、同法の実施を命じる。 3. 218万1,000インドネシア・ルピア(230米ドル)の罰金を科す。 KAJS議長を務めるサイード・イクバルFSPMI会長によると、これは明白な勝利であり、インドネシアで裁判所が労働者を支持してそのような勇気ある判決を下したのは初めてのことである。同会長は、「これは社会的公正を求める労働者の闘いにおいて画期的な出来事だ」と述べたが、政府の次の動きについて警戒感も表明した。 サイード・イクバル会長によると、インドネシア大統領は社会保障法を実施し、すべての人々に社会保障による保護を提供するとともに、フォーマル・セクターの労働者を対象とする社会年金を導入し、社会保障基金を管理するために信託基金を設立すべきである。 議会で社会保障法に関する審理が行われた7月22日、FSPMIとKAJSは議会と大統領官邸の前で1万人による集団デモを組織し、判決の実施を要求した。7月22日の審理の結果、インドネシア共和国大統領と議会は、社会保障法(RUU BPJS)に関する審議をさらに2カ月延期することに合意した。最終決定は2011年10月21日までに下さなければならない。 サイード・イクバル会長はIMFによる継続的な支援に感謝し、「2012年にILOが社会保障による保護をめぐって討議する予定であり、これは社会的公正を求めるそのような労働者階級の闘いにとって理想的な機会になる」と強調した。闘いはまだまだ終わっておらず、KJASは可能な限りの支援を必要としている、と同会長は述べた。 ユルキ・ライナIMF書記長はIMF加盟組織のFSPMIとロメニックを祝福し、次のように述べた。「今回の勝訴は、不安定労働者に社会保障を提供しようとするインドネシアの組合のキャンペーンにおいて画期的な出来事だ。KAJSは全市民のために闘う社会的同盟であり、力を合わせれば影響力が強まるという好例を示している」 関連リンク: Indonesian workers march for better social security and against precarious work [2011年8月1日――P・アルナサラム]
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