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ジャック・レイトンが61歳で逝去 − 訃報

カナダ新民主党(NDP)の党首で労働組合の強力な同盟者だったジャック・レイトンが、がんのため8月22日に61歳で亡くなった。

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カナダジャック・レイトンは2003年から亡くなるまで、カナダ新民主党(NDP)の党首を務めた。NDPは2011年5月の国政選挙で、同党の過去最多議席の倍を超える103議席を獲得した。

レイトンは、よりオープンで責任のある民主的なカナダ政府を打ち立て、進歩的政策によって持続可能な良い雇用を創出し、環境を保護するというビジョンを描いた。富は、すべての市民のためになる医療、教育、輸送その他の公共サービスを強化するために投資すべきである。

レイトンは国際連帯にも貢献した。2009年にIMFおよび国際化学エネルギー鉱山一般労連(ICEM)とともにメキシコへのグローバル労働ミッションが実施された際、レイトンは以下のように述べた。「私たちは、組合管理に対する政府の干渉、組合幹部の投獄と組合銀行口座の凍結、ストライキが不法であるとの宣言、組合幹部の殺害者の不起訴が、基本的人権の重大かつ容認できない侵害であることを明確にした」

全米鉄鋼労組(USW)のケン・ニューマン・カナダ全国ディレクターは次のように語った。「ジャックはカナダ国民に、政府は市民の経済的・社会的幸福を確保するうえで積極的な役割を果たすことができるし、実際に積極的な役割を果たさなければならないという現実を再認識させてくれた」

カナダ自動車労組(CAW)のケン・レウェンザ会長は、NDPへのメッセージでこう述べた。「ジャックは亡くなったが、NDPの良心の声はこれまで以上に必要とされている。NDPの努力は我が国の方向性に影響を与えることができ、実際に与えることになるだろう」

ユルキ・ライナIMF書記長は次のように述べた。「ジャックは私たちとともにメキシコへの連帯ミッションやサドベリーのピケに加わり、社会的公正に、また生活改善を求める労働者の闘いに、真剣に取り組む姿勢を改めて表明してくれた。労働組合運動は偉大な同盟者を失った」

レイトンは亡くなるわずか2日前に友人たちに向けて書いたメッセージの中で、お見舞いのメールを送ってくれた何万人もの人々に感謝し、次のように述べた。「私たちは繁栄する経済と、その恩恵をより公正に共有する社会を構築することができる。高齢者の面倒を見ることができる。子どもたちによりよい未来を提供することができる。世界の環境を守るために本分を尽くすことができる。愛は怒りに勝り、希望は恐怖に勝り、楽観は絶望に勝る。だから、愛情と希望を持ち、楽観的になろう。そうすれば世界が変わる」

[2011年8月23日――ライナー・サンティ]