IMFニュース・ブリーフス

インドのマルチ・スズキ労働者、組合を求めて闘争

マネサールのマルチ・スズキ・インド経営陣は8月29日から労働者に対し、工場への立ち入りを許可する条件として「善行」誓約書への署名を求めており、労働権の放棄を拒否する労働者を事実上ロックアウトしている。それ以来、経営側は「違反行為を働き、労働者を扇動して生産を停止した」という理由で23人を解雇し、34人を停職処分にした

photo
photo
インドマルチ・スズキ従業員組合(MSEU)によると、生産活動は8月29日から完全に停止している。同工場は約3,500人の労働者を雇用しており、うち900人が正規労働者、1,500人が訓練工、1,100人が契約労働者と見習工である。

紛争の発端は2011年6月3日にさかのぼる。マルチ・スズキ・マネサール工場の労働者がMSEUの登録申請書を提出したところ、経営側は労働者に、新組合に加入しないという声明への署名を要求した。労働者は威嚇に抗議するとともに労働組合権を要求して、6月4日から座り込みストに入った。

6月17日、政府当局者の出席のもとに労使が合意に達した。13日間の座り込みストに関するその他の詳細については、ここをクリック。

協約に従って、解雇された労働者11人は国内での調査の結果が出るまで復職し、労使は協力することに合意した。こうした中で7月16日、マルチ・スズキ・グルガオン工場にあるマルチ・ウドヨグ・カムガル労組(MUKU)の選挙が実施された。労働者の申し立てによると、同労組は御用組合であり、もう10年も選挙が行われていなかった。この組合はグルガオンの労働者に支配されているため、マネサールの労働者は選挙に参加せず、個別の組合であるMSEUを選んだ。

しかし7月27日、労働組合登録機関は文書の信憑性を疑問視し、MSEU登録申請を却下した。その後、経営側は停職や解雇によって労働者を不当に処罰し始めた。この動きは8月29日にピークに達し、労働者11人が解雇され、10人が停職処分を受けた。その日のうちに、マルチ・スズキ経営陣は工場の門を閉め、「善行誓約書に署名した労働者しか工場に立ち入ることができない」と宣言した。労働者全員が誓約書への署名を拒否した。9月8日現在、労働者23人が解雇され、34人が停職中である。

経営側は、「労働者は怠業戦術を実施し、生産プロセスを妨げた」と申し立てている。労働者は交替で工場前に座り込み、解雇・停職命令の撤回を要求している。他のスズキ工場(マルチ・スズキ・グルガオン工場、スズキ・モーターサイクル・インディア、スズキ・パワートレイン、スズキ・キャスティングス)をはじめ、グルガオンの多くの組合が、闘争中の労働者を支援している。

9月6日にIMF南アジア事務所の役員がマルチ工場を訪れた。IMFはマルチ・スズキ経営陣に対し、不当な処罰をやめて労働者と誠実に交渉し、労働条件や労働組合権に関する純粋な苦情を解決するよう要求している。

[2011年9月8日――マニカンダン]