ブルースコープ・スチールの解雇でオーストラリア製造業の危機が露呈
オーストラリアの労働組合組織3団体の組合員は、ブルースコープ・スチールがニューサウスウェールズ州とビクトリア州で1,400人の雇用を削減するという発表に激怒している。オーストラリア製造労組(AMWU)、オーストラリア労組(AWU)および通信・電機・配管工労組=電気工労働組合(ETU-CEPU)の組合員は、8月25日にウォロンゴンで会合を開き、「さらに労使協議を実施できるようになるまで、すべての機構改革に抵抗する」という厳しい決定を下した。
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関連組合は8月29日にキャンベラでジュリア・ギラード首相と会談し、労働党政権にオーストラリアの製造業危機の調査を開始するよう要請した。
BHPとビリトンの合併でBHPスチールがスピンオフされた2002年創設のブルースコープは8月22日、「ポート・ケンブラ製鋼所の労働者3,100人の半分近くを解雇し、ビクトリア州モーニングトン半島の熱延鋼板工場でも200人の雇用を削減する」と発表した。
先週木曜日に白熱した組合会合が開かれ、労働者は、財政難に陥った同社の経営陣が、CEOポール・オマリーの72万1,000オーストラリア・ドルをはじめ、総額305万オーストラリア・ドルのボーナスを受け取ろうとしていることも知った。同社は先ごろ1億1,800万オーストラリア・ドルの営業損失と9億オーストラリア・ドルの資産評価損を計上した。これは主にオーストラリア・ドルの上昇、原材料費の高騰、受注の低迷によるものだった。
ブルースコープが雇用削減を発表した今、オーストラリアは資源輸出が好調で為替レートが上昇し、これはオーストラリアの商品・製品製造に損害を与えている。ブルースコープは、シドニーの南にあるポート・ケンブラで溶鉱炉、コークス・バッテリー、スラブ連鋳機、酸素製鋼容器を休止して1,200人のフルタイム雇用と契約雇用を削減し、ビクトリア州のモーニングトン半島でも200人の鉄鋼圧延雇用を減らす。
デイブ・オリバーAMWU全国書記は、ブルースコープが雇用削減を発表した日にポート・ケンブラで次のように述べた。「鉱業が好況に沸く中で実に大きな削減が行われることになり、1,400世帯が今日、その内容を身をもって知った。今日、私たちは州・連邦政府に対し、この問題に関してさらなる措置を取るよう強く注意を促す」
このICEMニュースリリース全文は、ICEMウェブサイトで閲覧可能(http://www.icem.org/en/78-ICEM-InBrief/4627-BlueScope-Steel-Sackings-Reveal-Crisis-in-Australian-Manufacturing)
[2011年8月29日――ICEM]
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