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キャタピラーがカナダでロックアウト

カナダ・オンタリオ州にキャタピラーが所有するエレクトロ・モーティブ・ディーゼル(EMD)工場の労働者は、経営側が大幅な譲歩要求を取り下げなかった場合のスト決行を圧倒的多数で票決したあと、労働協約が終了した大晦日にロックアウトされた。

カナダ: 交渉決裂後、この機関車製造会社は労働者425人をロックアウトした。同社は50%以上の賃金カット、現行年金制度の廃止、超過労働手当の減額を要求している。また、健康保険、有給休暇4日と年次休暇、その他の給付の削減も求めている。

要求された減給が実施されれば、賃金が1時間当たり35カナダ・ドルから16.50カナダ・ドルに減るだろう。カナダ自動車労組(CAW)の組合員650人は、それに先立って、経営側が提示内容を改善しなかった場合のスト決行を賛成98%で票決した。

多国籍土木用建機メーカーのキャタピラーは2010年8月、オンタリオ州ロンドンのEMD工場を、民間投資グループのグリーンブライア・エクイティ・グループとバークシャー・パートナーズから8億2,000万米ドルで買収した。両投資グループは2005年、ゼネラル・モーターズ(GM)が非自動車事業を売却した際に、その4分の1の金額でGMからEMD工場を購入していた。その後、キャタピラーはカナダで優遇税制の恩恵を受けてきた。

CAWは今、同社が労働組合のない現場に生産を移転させようとしているのではないかと疑っている。

オンタリオ労働連盟(OFL)のシド・ライアン会長は、「私たちは、この闘いを労働運動全体にとって重要と考えており、一歩も譲らず全力を尽くしてキャタピラーと闘うつもりだ《と述べた。

ケン・レウェンザCAW会長は、このロックアウトを「労働者と家族、それにロンドン地域社会全体に対する本格的な攻撃《と呼んだ。

「(キャタピラーが)カナダで事業を実施するつもりがないとしたら、この賃金カットは労働者に罪をなすりつけるための策略だ《

CAWは12月中旬、キャタピラーによるカナダ投資法違反について政府に正式な苦情を提出した。

2012年1月21日(土)にオンタリオ州ロンドンで抗議集会が予定されており、キャタピラーがアニュアル・レポートを発表する1月26日にも、さらにいくつかの行事が計画されている。

ICEMウェブサイトの詳細な報告も参照

このロックアウトは、本サイトですでに報告したケベック州リオ・ティント・アルキャン製錬所の労働者755人のロックアウトと並行して実施された。

関連リンク:
IMF Solidarity letter to CAW members (pdf)


[2012年1月11日 ライナー・サンティ]