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GoodElectronics、アップルの公正労働協会加入を警戒

世界中の工場で搾取的労働条件を撤廃するために専心している非営利組織の公正労働協会は1月、アップルが「参加企業」として加入を認められたと発表した。これはアップルが今後2年間にサプライチェーンから労働者虐待を一掃すると約束したことを意味する。GoodElectronicsは、この発表を歓迎しながらも、加入によってアップルが重要問題に関して行動を起こすかどうか厳重に監視していくと約束している。

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オランダ: GoodElectronicsは2012年1月17日、アップルが公正労働協会(FLA)に加入したことについて意見を述べた。FLAは、社会的責任システムを確立するために全部門で国際的ブランドと協力しており、被服部門を中心に活動している。アップルは技術系企業として初めてFLAに加入した。IMFは電子部門でGoodElectronicsネットワークに主力を注いでいる。このネットワークは、世界の電子部門で人権と持続可能性に貢献することを目指しており、IMFもメンバーになっている。

GoodElectronicsはアップルの行動を歓迎しつつも、「同社がサプライチェーンの労働者虐待に本当に取り組もうとしているのか、それとも社会的信用を高めるための方便にすぎず、実際に約束を果たすつもりはないのかは、まだ何とも言えない」と主張している。FLAの会員義務に従って、アップルは2年以内に国際労働機関の基準に基づいてFLA職場行動規範を遵守しなければならない。

しかしアップルは、同社のサプライヤーに関する具体的な問題を指摘したグループにきちんと対応していないとして批判されている。そこで2011年にGoodElectronicsとmakeITfairは、アップルに焦点を当てたキャンペーン「公正なアップルを要求」を実施し、国際的なステークホルダーとのコミュニケーションを改善するよう同社に強く要請した。悪名高い中国フォックスコンでの自殺事件に関して、アップルは労働組合や労働権擁護団体と適切な対話を築かなかった。同社は労働条件を改善するどころか、労働者に自殺しないことを強制的に約束させた。

GoodElectronicsは、アップルがサプライヤーに適正価格を支払って無理のない納期を設定すれば改善を達成できる、と主張している。そうすればメーカー各社は労働者に適正な生活賃金を支払うことができるだろう。今までのところ、アップルはこれらの提案を無視している。GoodElectronicsのコメントは、FLAの理事会が透明性を欠いており、組合代表が加わっていないこと、また会員企業における労働組合の存在を十分に要求していないことも批判している。プレスリリース全文はGoodElectronicsウェブサイトで入手可能。

[2012年1月24日 アレックス・イワーノウ]