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インドネシアの裁判所で外部委託に違憲判決 インドネシア憲法裁判所は「外部委託は憲法に謳われた労働者の権利を侵害する」との判決を下し、インドネシア各地で労働者が最低賃金増額決定を首尾よく守るために集団抗議行動を実施した。 この判決は、ある電気検査員が「自分の常用雇用が外部委託労働者に奪われたのは憲法違反だ」として起こした裁判で下された。 アルナサラムIMF地域代表は1月にインドネシア労働組合会議(KSPI)大会前のフォーラムで発言し、インドネシアの最高裁によるこの重要な判決を実施させるよう関連組合に促した。同代表は代議員に対し、この判決を研究して労働法の改善に取り組むよう求めた。また、不安定労働は社会の「がん」であり、労働者階級の社会経済的発展や労働組合の成長を妨げると指摘した。 一方、工業都市ブカシでは1月20日に何万人もの労働者が約8時間にわたって主要幹線道路を封鎖し、地域の経済・産業活動が麻痺状態に陥った。集団抗議行動が勃発したきっかけは、西ジャワ州のバンドン行政裁判所がインドネシア経営者協会(APINDO)に有利な判決を下し、州政府に対し、2012年に最低賃金を16%引き上げ、一般労働者については149万1,886ルピア(168米ドル)に、産業労働者についてはカテゴリー1および11でそれぞれ171万5,645ルピア、184万9,913ルピアに引き上げるという決定を取り消すよう命じたことである。 この抗議によってAPINDOは、労働移住省の調停による組合との交渉で要求の撤回を余儀なくされた。これを受けて西ジャワ州知事は、ブカシ管区の最低賃金を当初の命令どおり改定する命令に署名した。 IMF加盟組織FSPMIのサイード・イクバル会長は、労働者の力が闘いを勝利に導いたと述べ、団結・協調した勇敢な闘いが使用者を最低賃金増額に同意させたと強調した。 やはり大きな工業都市であるタンゲランでも同様の抗議行動が組織されている。生活費の上昇と購買力の低下によって、労働者と組合は賃上げを求めて闘わざるを得ない状況にあり、インドネシア大統領は使用者に対し、生活費上昇を埋め合わせるために賃上げを求めている。 [2012年2月3日 P・アルナサラム]
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