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フィンランド最高裁、派遣労働イコール臨時労働ではないと判断

フィンランドの最高裁判所は1月24日、臨時雇用を利用する積極的かつ客観的な理由がない場合は常用雇用を利用すべきだ、と裁決した。派遣会社によるクライアント企業への配属が期間限定であることは、十分な理由にならない。

フィンランド: フィンランド最高裁判所は1月24日、2009年以降さまざまな裁判所で審理・上訴されてきた紛争において、従業員に有利な判決を下した。事件の発端は2006年、派遣会社のアージェントに雇用されKoti-Ideaで働いていた1人の女性店員が、「クライアントからの注文が終わったら雇用を打ち切る」と伝えられたことである。

しかし、クライアントは永続的に店員を必要としており、すぐに代わりの店員を探し始めた。この従業員は、フィンランドのサービス労組PAMの助けを借りて裁判を起こした。

地方裁判所と控訴裁判所は、使用者のアージェントには契約期間を制限する積極的な理由があると判断した。しかしPAMによると、使用者は雇用保障に関する法規定を回避していた。

最高裁判所は最終的に、雇用契約に関する法律は派遣労働にも適用され、期間を制限する積極的かつ客観的な理由がない場合、派遣労働は永続的なものでなければならない、との判断を示した。客観的な理由は、例えば、季節的ピークに対応するために限られた期間だけ追加的労働が必要な場合だろう。この場合は、クライアントが雇用終了を希望すれば足りる。使用者は当該部門の一般的慣行にも言及したが、これについて最高裁判所は納得せず、使用者が派遣会社を利用しているというだけで雇用が臨時的なものになるわけではないと結論を下した。

この店員は補償を受けることになった。この最高裁判決によってフィンランドの派遣労働者の身分が明らかに向上する、とフィンランドの組合総連合SAKの交渉専門家カタリーナ・ムルトは言う。

[2012年1月31日 ライナー・サンティ]