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労働組合がEU−インドFTAめぐり議論

IMF南アジア地域事務所は、2月14〜15日にニューデリーでEU−インド自由貿易協定(FTA)に関するワークショップを開催した。インドのナショナルセンターとIMFBWI、ITGLWF、UNIおよびICEM加盟組織の代表が、貿易政策と開発・雇用への影響について、フランス、イタリア、カナダ、アルゼンチン、日本のIMF加盟組織と意見を交換した。

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インド: このワークショップは2月10日のEU−インド・サミットを背景に開催され、インドの貿易政策の展開と進行中のEU−インドFTA交渉を分析した。交渉プロセスの透明性が欠如しており、労働組合や市民社会組織などの社会運動団体との有意義な協議が行われていないことについて、懸念が表明された。

雇用、食料安全保障、主要な産業・サービス部門(自動車や中小企業、小売業など)に焦点を当てて、EU−インドFTAが及ぼし得る悪影響を分析した。政策余地がなくなり、原料の輸出関税が撤廃される可能性があることから、付加価値製品を生産して熟練雇用を創出するインドの能力が低下するというリスクも強調された。

組合の最優先課題は、国内市場と他の発展途上国市場向けに、手ごろな価格のジェネリック医薬品を生産するインドの能力を保護することだ。また、金融部門自由化の結果、銀行部門を規制するインドの能力が低下する見通しの中で、開発・貧困削減目標の達成が妨げられることについても懸念が表明された。
欧州諸国の労働組合は同じ懸念を抱き、現在継続中の交渉の方向で大幅な改善を目指して一致協力しており、情報と有意義な協議が完全に欠如していることを非難した。
このワークショップでは、食料主権、海外直接投資(FDI)、金融サービスおよび医療の各分野で活動するNGOが重要な貢献をした。インド自動車製造者協会(SIAM)代表の貢献は、ビジネス上の観点と関心に焦点を当て、実りの多い継続的対話への道を開いた。
すべての参加組合がIMF南アジア事務所に対し、さまざまな地域の組合の間でこのような交流を引き続き促進し、IMFをはじめとするGUFのインドの加盟組織による共同行動を調整するよう求めた。


関連リンク:
India-EU FTA Banking Services Liberalization: An Indian Perspective - Kavaljit Sing (pdf)
EU India FTA undermining generic production of medicines - Leena (pdf)
IMF Workshop on EU India FTA - A Mecozzi (pdf)
The EU-India BTIA: Likely Impact on Agriculture and Food Security - Ranja Sengupta (pdf)
India's Trade Policy by G Manicandan (pdf)
Views on India-EU FTA Negotiations - Automobile Industry - SIAM (pdf)


[2012年2月15日 G・マニカンダン]