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フランスのキャタピラーで新協約

組合は賃上げに加えて、80人の不安定雇用を常用雇用に切り換えることによって雇用も何とか確保した。

フランス: 2011年12月にグルノーブル工場とエシロル工場で始まったキャタピラー労働者の賃金・労働条件をめぐる義務的な年次交渉は、良好な労使関係環境と好ましい事業環境を背景に行われた。組合側は4カ月に及ぶ交渉を経て経営側と合意に達した。労働者の過半数が承認したこの協約には、次のような規定が盛り込まれている。

●全労働者(管理者を除く)の賃金を2%引き上げる。
●労働者の約80%を対象に、実績に基づいて賃金を1%引き上げる。
●昇進に伴って賃金を0.4%引き上げる。
●最低賃金を3.4%増の1,515ユーロに引き上げる。
●給与体系を拡大して昇給の可能性を広げる。
●2012年に80人の不安定雇用契約を常用契約に切り換える。
●年俸総額の3%に設定されたSTIP(短期奨励給制)の計算に利用する数字に年功加俸を組み込み、全労働者の賃金を年間平均100ユーロほど増額する。
●障害を持つ労働者への年間360ユーロの勤務手当の支払いを継続する。
●全労働者に家庭の行事のための平等な休暇取得権を与える。
●2013年にTTXとWHEXの生産ラインが新たに稼働することを踏まえて、組合側は、年内に臨時生産活動に対応するために経営側が要求している勤務の補償として、2日間の追加的休暇を確保した。この規定の有効期間は2年である。

交渉後、労働者の過半数が協約に賛成票を投じた。

グルノーブルのキャタピラー工場は、他のグループ系列工場で組み立てられたエンジンの車台用部品を製造しており、約1,100人の労働者を雇用している。グルノーブルの近くにあるエシロル工場は、トラクターやローダー、ホイール掘削機を組み立てており、約1,300人の労働者が働いている。労働法に従って協約の有効期間は1年である。

[2012年4月19日 アンヌ=マリー・ミューロー]