2012年4月28日――追悼日
仕事が原因で死亡したり、負傷したり、病気になったりした労働者を思い出しながら、労働安全衛生をインダストリオール・グローバルユニオンの最優先課題の1つに掲げることも約束しなければならない。
全世界:
毎年4月28日の労働安全衛生世界デーに労働者は、職場の死亡事故、負傷および職業病による破壊的な損害にしばし思いをはせる。
傘下の労働者約5,000万人の声を代弁する新組織、インダストリオール・グローバルユニオンが間もなく誕生する。誰もが考え込んでしまうような統計がある。インダストリオール傘下の労働者5,000万人のうち、
●2012年の労災死亡者数は1万6,400人に達すると推定され、この人数は1日約45人に相当する。
●がんだけで今年、約5,000人のインダストリオール組合員が亡くなる。
●157万人が非致死性の職業病と診断される。
●正確には推定できないが、何百万という莫大な人数の労働者が職場で負傷する。
これらの数字は衝撃的ではあるが、あまりにも低く見積もられていることは間違いない。
この統計は国際労働機関労働統計局と2008年に作成された労働災害・職業病推計値をもとにしており、加盟国がILOに報告した政府公認の統計に依存している。ほとんどの場合、国の労働災害補償システムからのデータであり、「職業」に起因する病気や死亡とみなされなかった労働者や、労働災害補償システムの対象とならない労働者は即座に除外されている。職業病は慢性的に過小診断されており、労働災害についても、報告を控えたり不正に報告件数を抑えたりするなどさまざまな策が弄されている。
加えて、この推計値は世界の合計に、全労働者に占めるインダストリオール組合員の割合をかけたものにすぎない。実際には、インダストリオールは特に危険性の高い産業の労働者を代表する。炭鉱など伝統的に危険な職場においてさえ、職業病で亡くなる労働者数が、火災や爆発、落下、機械との接触といった不測の原因による死亡者数の5倍に上ると推定されることを覚えておく価値がある。
インダストリオールは明らかに、労働安全衛生を最優先課題の1つに掲げなければならない。
グローバルな基準を設定する機関や、労働安全衛生のさまざまな側面を取り扱っている機関が数多くある。頭字語で挙げると、ILO、WHO、OHSAS、ISO、GRI、UNEP、GHS、REACH、SAICMなどだ。インダストリオールは、これらすべての機関を緊密に監視し、よりよく労働者を守るよう圧力をかけなければならない。
インダストリオールは、産業の動向を決める多国籍企業との多数のグローバル枠組み協約を引き継ぐ。これらの協約のほとんどで労働安全衛生規定をもっと目立たせなければならない。
鉱山における安全および健康に関するILO第176号条約の批准件数を増やすための進行中のキャンペーンなど、特定の問題に関するグローバル・キャンペーンを継続しなければならない。
労働安全衛生は複雑な問題である。相互接続システムを構築し、職場の危険を確認・規制するとともに、それらの危険から労働者を保護しなければならない。労働者が代表を通じて合同安全衛生委員会に全面参加することを、その取り組みの中核に据えなければならない。
すぐに実施できる手軽な魔法の解決策はない。労働安全衛生を確保するには、そうではなく組合活動家が懸命に努力し、断固たるキャンペーンを展開する必要がある。利益を求める競争がグローバルに繰り広げられているが、労働者の健康は売り物ではない。
[2012年4月27日 ICEM]
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