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ロシアの日産で交渉開始、フォードでは紛争終結

サンクトペテルブルクの日産ITUA支部は労働者会議を開き、5月31日に始まる第1回交渉の集団的要求を採択した。フセボロジスク(サンクトペテルブルク地域)のフォードでは、ITUAが経営側にいくつかの点で譲歩させ、紛争が解決に近づいている。

ロシア: 日産の地域間自動車労組(ITUA)支部は5月19日、労働者会議を開いて集団的要求を採択した。5月24日、経営側は第1回交渉の日程を5月31日と発表した。

要求は以下のとおり。

1. 公式インフレ率(6.1%)に従って賃金を調整し、25%の賃上げを実施すること。日産の平均賃金は現在1,000米ドルで、労働者は1,300米ドルへの引き上げを求めている。
2. 有給休憩を15分に延長すること。
3. 交代輪番制(夜−夕−朝)を変更すること。
4. 健康保険の歯科治療対象範囲を拡大すること。
5. 労働者に現場監督を選出させること。
6. 組合を参加させて個々の職場の再評価を行うこと。
7. すべての派遣労働者を常用雇用に切り換え、人材会社との契約を打ち切ること。

ITUAの報告によると、日産ではマンパワーとバーサスに雇用される派遣労働者の割合が非常に高い。派遣労働者は常用労働者と同じ仕事をしていながら、賃金・保障面の条件がはるかに悪い。

この会議では、ITUA支部が正式な労働者代表として承認された。

交渉は5月31日から6月13日まで行われる予定で、その間、労働者には1時間の警告ストを実施する権利がある。

一方、フセボロジスク(サンクトペテルブルク地域)のフォードでは労使紛争が解決に近づいている。

ITUAの報告によれば、同社での大きな成果は、いわゆるカイゼン・システムの導入が回避されたことだ。労働者は「革新的な提案」をしなくても昇進・昇級できるようになる。また、勤務時間も5分短縮され、10時間の夜勤では休憩時間が追加される。

有害・高温条件下での作業に関するいくつかの問題は未解決だが、「これらの問題に関しては、ストを実施せずに労働者の利益を守っていく」とITUAは報告している。

「今回の譲歩を飲むことによって、長期のストを回避してストライキ基金を節約することになる。フォードの労働協約は2013年2月28日に失効するので、後者は特に重要だ」と組合代表は述べた。

フォードのITUA支部は5月22日、この集団的紛争の間に使用者がいくつかの点で譲歩したと報告した。それまで組合はスト実施を計画していたが、これによってストを回避することができ、現行協約が終了する2013年2月に備えてストライキ基金を節約することができる。

ITUAは譲歩に関して労働者の投票を行い、集団的紛争を続けるかどうか決定する。

[2012年5月30日 アレックス・イワーノウ]