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IGメタルが4.3%の賃上げを確保

IGメタルは5月19日にバーデン・ビュルテンベルクの金属労働者の協約を締結し、全国の製造業部門で4.3%の賃上げへの道を開いた。この協約により、派遣労働の規制に関する共同決定権と見習工の雇用保障も改善された。

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ドイツ: 2012年5月1日にさかのぼって労働者80万人の賃金が4.3%引き上げられることになり、IGメタルは長時間にわたる協議と組合員による強力な警告ストを経て、5月19日未明に交渉を終了した。これは20年ぶりの大幅賃上げで、インフレ率の2倍を超えており、労働者にとって実質的な給料増額である。

IGメタルはその他2つの非常に重要な問題、すなわち派遣労働の規制と見習工の雇用保障についても交渉した。

派遣労働に関しては、使用者が派遣労働者の雇用を意図する場合に、従業員代表委員会に実質的な共同決定権を与えることで合意した。従業員代表委員会に派遣労働の利用に反対する権利が与えられ、紛争になった場合、使用者は裁判に訴えなければならない。使用者が採り得るもう1つの選択肢は、雇用する派遣労働者の人数の規制、期間の制限、賃金合意など、派遣労働に関する随意協約を取り決めることだ。ほとんどの使用者が随意協約を選び、従業員代表委員会に派遣労働を制限して同一賃金を保障する実質的な共同決定権を与えると予想される。

新協約のもう1つの成果は見習工の雇用保障である。協約によると、使用者はスタッフの増員が必要な場合は従業員代表委員会と合意したうえで、合意された人数の見習工に無期限の雇用を提供しなければならない。あるいはまた、そのような協約が存在しない場合は、使用者は見習期間終了の6カ月前に実際に必要な人員について従業員代表委員会と議論したうえで、合意された人数の見習工に無期限の雇用を提供し、その他の労働者には最低1年間の雇用を提供しなければならない。使用者は、この期間が終了する3カ月前に、追加人員が必要かどうか、したがって、より多くの見習工に無期限の雇用を提供する機会があるかどうかについて、再び従業員代表委員会と交渉しなければならない。

[2012年5月21日 ヘルムート・レンゼ]