アジア太平洋の金属労働者が団結と多様性めぐり議論
アジア太平洋諸国の金属労働者が台湾(中華民国)の高雄で会合を開き、インダストリオール・グローバルユニオン結成前後に各国でIMF/ICEM/ITGLWF加盟組織の団結を強化する進行中のプロセスについて議論した。
台湾(中華民国):
5月29日と30日に高雄で開催された第5回アジア金属労組連絡会議(AMLC)にアジア太平洋地域の金属労組指導者80人以上が集まり、経験を共有するとともに、インダストリオール・グローバルユニオン結成前後に各国でIMF/ICEM/ITGLWF加盟組織の団結を強化する進行中のプロセスについて議論した。
アジア太平洋は世界で最も多様な地域であり、6月19日に発足する新GUFインダストリオールは、18種類の基本言語を話す172の加盟組織を対象とする必要がある。この地域は新興多国籍企業による労働者の基本的権利の侵害など重大な労働問題に直面しており、アジア太平洋諸国では中核的国際労働基準の尊重を確保しないまま、100本を超える自由貿易協定が実施されている。組合運動の分裂を克服し、多国籍企業に立ち向かうために団結を確立するには、同盟や統合、国別・地域別協議会の設置を通して、同じ国や地域の加盟組織間で共通の土台を生み出すことが極めて重要になるだろう。
この会議では、2011年に結成されたインダストリオール・オーストラリア/ニュージーランド協議会が、アジアの地域問題に取り組む加盟組織間の協力や女性代表の参画などの活動について報告した。同協議会は現在、協力強化に取り組んでいる。IMF-JCは、少なくとも月1回は書記局レベルでICEM-JAFやUIゼンセン同盟と定期協議の場を持っていることを報告し、インダストリオール・グローバルユニオン傘下で協調的な共同活動を行う将来の可能性について議論するために、トップ役員会合を強化したいとの希望を表明した。
参加者はAMLCの今後をめぐる討議も行い、来年については今回と同様に金属部会の枠内で開催し、2016年までのインダストリオール移行期間には、他の産業部門の組合を参加させるための実行可能な選択肢も引き続き模索していくことを確認した。
AMLCはIMFの意思決定機関ではないが、この会議を主催したIMF-JCの招待で、IMF書記局の代表が会議に出席して議論・討論に加わった。
翌5月31日には、台湾のインダストリオール関連組織すべてが初めて円卓会議を開き、国内活動と国際活動の両方で強固な連帯を構築する将来の協力について議論し、意見を交換した。
[2012年6月4日 松崎寛]
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