第7回戦術委員会確認事項
2005年4月4日
全日本金属産業労働組合協議会
(IMF−JC)
 金属労協は、本日10:00より第7回戦術委員会を開催し、現時点までに引き出した回答のとりまとめを行い、JC共闘の今後の進め方を次のとおり確認した。 
集計対象A組合(65組合)は、すべての組合で回答を引き出し、集約方向に向かっている。
賃金については、すべての組合が定昇の実施等によって賃金構造維持分を確保し、現行賃金水準を維持した。
一時金は、交渉で決定する42組合すべてが回答を引き出した。このうち、月数または金額で昨年実績を上回った組合が31組合、横ばいが3組合、下回った組合が8組合となった。一部で昨年水準を下回る組合が出たものの、業績回復傾向を反映して、7割以上の組合で水準の引き上げを果たすことができた。他に業績連動によって決定する組合が23組合となっている。
60歳以降の就労確保や、次世代育成支援対策推進法、改正育児・介護休業法への対応、年間総実労働時間短縮や働き方の改善に向けた取り組み、非典型労働者の受け入れに関する労使協議については、多くの企業連・単組で職場の実態を踏まえた労使の真摯な論議が行われ、労働条件の充実を図ることができた。このことは、金属産業が競争力の要である技術・技能の継承・高度化を図り、仕事と生活の調和のとれた働き方を実現する仕組みづくりを前進させたものと評価する。
 「JCミニマム(35歳)」と企業内最低賃金協定については現在集約中であるが、賃金決定後も企業内最低賃金の協定化とこれに連動した法定産業別最低賃金の新設・金額改正を推進していく。
集計対象B組合(組合員300〜999人)は、67組合中53組合が回答を引き出した。回答引き出し組合のうち、現時点で賃金構造維持分を確保していると判断できる組合は46組合となっている。
集計対象C組合(同299人以下)は、55組合中44組合が回答を引き出した。回答引き出し組合のうち、現時点で賃金構造維持分を確保していると判断できる組合は35組合となっている。
一方、全体集計における賃金の要求、回答、集約組合をみると、
構成組合数3,517組合のうち、要求組合が2,873組合(複数年協定締結93組合を含む)、回答・集約組合1,385組合(同)、集約組合1,133組合(同)となっている。
回答・集約組合1,385組合のうち、現時点で賃金構造維持分確保について判断できる899組合の状況は、ベアや賃金格差改善、賃金体系是正を獲得したと判断できる組合が91組合(昨年同時期:51組合)、賃金構造維持分・定期昇給を確保した組合が804組合(昨年同時期:776組合)、賃金構造維持分・定期昇給を確保できていない組合が95組合(昨年同時期:97組合)となっている。賃金構造維持分・定期昇給確保組合が大幅に増加し、さらにベアや賃金格差改善、賃金体系是正を果たす組合が増加することとなった。
  なお、「賃金構造維持分・定昇制度」についての調査では、「賃金構造維持分・定昇制度」が労使確認されている組合が630組合、労使確認されていないが組合にて把握・推計できている組合が1,072組合となっており、金属労協全体で半数程度の組合で労使または労働組合で確認されている。
全体集計における一時金の状況をみると、要求提出組合2,334組合のうち回答・集約組合は1,053組合、集約組合は912組合となっており、業績連動方式による決定は98組合となっている。回答・集約の状況は、
・年間5カ月以上または半期2.5カ月以上
・年間4.5カ月以上5カ月未満、または半期2.25カ月以上2.5カ月未満
・年間4カ月未満または半期2カ月未満
290組合(28.9%)

185組合(18.4%)
281組合(28.0%)
となっており、昨年と比較して、年間5カ月以上または半期2.5カ月以上の組合の比率が5.1ポイント増加し、年間4カ月未満または半期2カ月未満については11.6ポイント減少することができた。また、昨年実績を月数または金額で上回った組合は281組合(71.5%)、下回った組合が140組合(14.0%)となった。7割以上の組合が昨年実績を上回ることとなり、昨年実績を下回る組合も昨年の190組合20.7%から14.0%へ減少し、JC全体として水準の改善を果たすことができた。
 60歳以降の就労確保は、JC全体で1,802組合が産別方針に沿った成果を獲得しており、制度導入に向けた流れを着実に拡大することができた。
これらの回答は、産業・企業の実態を踏まえつつ、「ものづくり産業」「金属産業」という共通の基盤に立ち、総合労働条件改善に粘り強く取り組んだ結果引き出したものである。JC共闘として一定の成果を引き出すことができたものと受け止める。
われわれは、これまでに引き出した成果を、今後回答引き出しに取り組む中小労組に波及させ、積極的な格差改善を実現すべく、引き続き共闘体制を維持しつつ、産別指導のもと4月月内の解決をめざして粘り強く団体交渉を展開していく。
次回第8回戦術委員会は、4月27日(水)午前10時より開催する。

以上