各種集会
産別代表意表明

<電機連合 書記長 大福 真由美>
「明確な賃金改善」の実現に向け
不退転の決意で


電機連合加盟各組合は、去る2月16日までに一斉に要求を提出し、交渉の火蓋が切られた。その内容は、なんといっても5年ぶりの「賃金改善2000円」が最大の焦点であることは論を待たない。上向く環境の中で、年来主張してきた4つの根拠−すなわち、1つに「実質賃金の維持・向上」、2つに「国民経済の成長性」、3つに「賃金の社会性」、そして4つに「産業・企業業績の成果反映」の観点から総合的に勘案し、「賃金改善」を求める'挑戦と決意'をしたものである。
各組合はこれまでの間、3回程度の交渉、ならびに三役折衝などを精力的に推進している。組合側は、「電機産業の発展には質の高い『現場力』が要であり、そのための『人』への投資が最優先」とし、業績や財務体質の回復・改善に協力・努力してきた組合員に報いるべきと一貫して主張してきている。しかも、成果反映は業績によって変動する不安定な一時金のみでなく、生涯所得の基礎であり、報酬体系の根幹をなす月例賃金の改善にも適正に配分されるべきと強く主張してきている。
しかし、経営側は、「熾烈な国際競争下では固定費の増大につながる賃金改善には応じられない。更なる収益力の強化が急務であり、業績反映は、成果主義人事処遇制度が導入され定着する中にあって、一時金での対応が基本」と主張し、厳しい姿勢に終始している。ここ数日、そして今朝報じられています水準情報など、現実に対応している交渉現場にはまったくないということを明言しておきたい。
本日以降、いよいよ後半山場に向けて、今一度組合側の要求趣旨と思いを整理・凝縮し、頑なな経営側の姿勢を転換させ、具体的な成果に結びつけるため全力を挙げなければならない。
これまで営々と引き継がれてきた統一闘争は、どんなに時代や環境が変わろうとも、「電機産業・企業の健全で永続的な発展」と「組合員の生きがい・働きがいにつながる労働条件の向上」という、二つの事柄の最適化を巡ってのものであったに相違ない。その意味で、今日的な課題であるグローバル競争という条件をクリアーしていくためには、まさに組合員・従業員の人材力を高め、労働の質の向上によって競争力をつけることに、経営側も異存はないはずである。しかも、この間の産業・企業の復活は、単に一部の優秀な人だけのものではなく、職場の中で、日々まじめに一生懸命その職務を果たしてきた「普通の人」の支えがあったればこそなのである。
「普通の人」への働く意欲を高める投資、賃金の持つ「社会性」からの責任などを踏まえ、去る2月28日に確認されたJC第4回戦術委員会にいう「明確な賃金改善」の実現に向け、JC本部、ならびに加盟各産別とも連携し、電機連合としての役割と責任をしっかりと果たしていく不退転の決意を申し上げ、電機連合としての報告、ならびに決意表明とさせていただきたい。最後まで共に頑張りましょう。




<自動車総連 事務局長 萩原克彦>
要求貫徹に向け、
総連一丸となって交渉を展開


自動車産業は、完成車メーカーはもちろん、部品メーカー、販売会社、輸送会社など、業種も企業規模も異なる多くの「人」の努力と知恵、頑張りに支えられ今日まで発展をしてきた。今次闘争は、まさに自動車産業に働くすべての組合員のこれまでの頑張りに報い、そして更なる産業の健全な発展につなげるために「自動車総連全体で賃金改善に取り組むべき」との認識のもと議論を進めてきた。
昨日、自動車総連は第2回中央闘争委員会を開催し、要求状況ならびに今後の取り組みを確認した。現時点、メーカー組合も含め自動車総連加盟のほとんどの組合が賃金改善に取り組む要求を取りまとめ、精力的に交渉を展開している。
 経営側は、これまで「職場の努力に対する感謝」や「企業を支えている人の重要性」は認めているにもかかわらず、我々の要求に対しては「日本の労務費は高水準、国際競争力の維持が不可欠」また「賃金引上げは中長期的な観点から困難」などと、かたくなな姿勢を崩していない。
競争力の維持・向上に向けては「人」への投資が不可欠である。あらためて経営は「人の知恵・頑張り」が競争力の源泉であることを再認識し、我々の要求に誠意をもって答えるべきである。
今次闘争もいよいよ正念場を迎える。
我々の「働き」を、経営としてどう評価し、どう報いるのか?要求貫徹に向け、職場の熱い思いを最後の最後まで経営に突きつけていく。
その事が、「JC共闘の一翼を担うこと」と「産別として社会的責任を果たすこと」につながると信じ、自動車総連一丸となって交渉を展開していくことをお約束し、決意表明とする。




<JAM 書記長 大山勝也>
JC共闘を力に
「明確な賃金改善」実現めざす

 JAMは、統一回答指定日を3月14、15日に設定して取り組んでいる。統一要求日は、2月20日であった。JAMは、交渉単位で300人未満の組合が1,473組合、300人以上が237組合であるが、すでに賃金要求を提出している800組合は、大手も、中堅も、中小も、統一回答指定日に解決を見通せる有額回答の引き出しに全力をあげている。なかでも、1,000人以上の大手54組合で構成しているJAM大手労組会議は、エントリー10組合の確認など金属労協の共闘を担い、かつ、大手が頑張って中小の賃上げにつなげていくために、「賃金改善分」を確保する取り組みを重視している。
 JAMの賃金要求は、賃金構造維持分+賃金改善分2,000円以上である。それに、個別賃金要求と平均賃上げ6,500円以上である。
 2月に賃金要求を提出した800組合のうち、平均賃金要求、個別賃金要求それぞれ賃金構造維持分、賃金制度維持分にプラスして賃金改善分を要求している組合は523組合である。平均賃金要求でみると、組合平均で、その要求額は7,303円、そのうち賃金改善分は2,641円です。エントリー10組合も、それぞれの要求方式で賃金改善分2,000円を基準に要求している。
 ちなみに平均賃金要求のデータがそろう762組合の組合平均要求額は6,939円で、同一組合平均の前年比で827円上回った要求となっている。一時金については、511組合、そのうち313組合が年間で要求している。
 賃金改善分の要求に対して、経営側は、「原材料価格の長期的な上昇が製造コストを圧迫し、予断を許さない要因が山積している」と先行き不透明であることを強調している。また、「人」への投資の重要性を認めながらも、「固定費のアップにつながる賃金改善には慎重にならざるを得ない」などと主張してきている。
 組合は、組合員の協力と努力、可処分所得の減少、賃金改善・労働条件引き上げと企業の基盤強化・発展の好循環などを主張し、要求実現に向け交渉を重ねている。金属労協の共闘強化を力にして、組合員の生活の安定と仕事へのやりがいにつながる「明確な賃金改善」を実現するために取り組みを強化していく決意である。




<基幹労連 事務局長 内藤純朗>
人への投資こそ確実に
産業企業の発展につながる


基幹労連では2月10日の集中要求提出日を皮切りに、現時点において交渉単位290組合中232組合が要求を提出した。そのうち98%以上の組合が賃金改善に取り組み、アクティブプラン2006の労使交渉を進めている。交渉の序盤は要求内容や背景・趣旨について多岐にわたる主張を行い、経営側の認識を深めるために精力的な交渉を行ってきた。
特に強調したのは、賃金改善は人への投資であり、それは産業企業の発展につながるという中期産業労働政策「アクティブビジョン2010」に基づく要求根拠である。組合は今次交渉を産業企業の成長発展のための交渉と位置づけ、賃金改善を要求しているのである。
それは裏返してみれば、人への投資3,000円は決して無駄にはならず、それ以上の成果を産業企業にもたらすという自信であり、働くもの自らの決意表明でもある。
しかし、現時点における経営側の態度は極めて不誠実である。この組合要求に対する見解は、「これ以上の賃金水準の引き上げは競争力の低下を招く」「成果配分は一時金で行ってきている」「固定費増につながる労務費負担は極めて慎重にならざるを得ない」というものである。これはすべて従来の固定観念に基づく主張であり、今次要求の内容には全く踏み込んでおらず、まことに遺憾と言わざるを得ない。
これでは実質的な交渉は「まだ始まっていない」ということになるではないか。交渉は互いの主張に耳を傾け、真情を持って話し合うことから始まるのではないか。それが営々と築き上げた労使関係ではないか。会社の合理化提案に対し組合がそのような態度を取ったことがあるのか。経営側は冷静にならなければならない。
まずは組合主張に耳を傾け、人への投資を行った場合の効果・影響について、経営のパートナーである労働組合と真剣に話し合うべきである。そして産業企業の発展に向けた労使交渉を行うべきである。労使交渉は結果のみではなく、その過程こそが労使関係を良好に保つことを忘れてはいけない。経営側は真摯な姿勢で今次交渉に臨まなければならない。
私たちは残された期間、誠実にかつ粘り強く交渉を重ね、良好な労使関係を維持する観点からも経営側の姿勢を転換すべく、総力を挙げて取り組む決意である。なぜなら、それは私たちが愛するものづくり産業を復活させ、基幹産業を成長発展させ、世界に冠たる金属産業の地位を確保するための取り組みとなるからである。
最後に繰り返すが、人への投資は確実に産業企業発展につながる。それは経営側が主張する「成果は結果を見て」という結果予測よりはるかに確度が高い、明確な事実である。




<全電線 書記長 前田雅昭>
JC共闘の一員として
最終山場に向け精力的に交渉を展開


全電線は、2月2日の中央委員会において闘争方針決定以降、2月21日には各単組一斉に要求提出を行い、今次闘争における、具体的な取り組み内容、考え方について要請し、経営側に理解を求めたところである。
具体的な要求としては、「賃金」については、賃金構造維持分の確保を図り2,000円相当の賃金改善、年間一時金については、5ヵ月中心で、産別ミニマム4ヵ月ということで、水準改善に積極的に取り組む考え方である。 交渉の状況としては、2月28日に第1回交渉を行うなか、各要求項目に対して経営側は、賃金について「賃金改善の実施は不可能であると言わざるを得ない」などとし、さらに、年間一時金については、「会社の実力からすれば、かけ離れたものと言わざるを得ない」とし、要求の趣旨とは程遠く、現時点の交渉状況については、大変厳しい展開となっている。
このように、労使考え方の隔たりが極めて大きいなか、全電線は、3月7日第2回統一交渉において、「賃金構造維持分を確保したうえでの賃金改善」、さらに、「年間一時金の水準引き上げ」など、適正な成長・成果の配分を求めるべく、さらに追い上げを図るとともに、最終山場に向けて、精力的な交渉を展開していきたいと考えている。
以上、産業実態としての厳しさはあるが、JC共闘の一員として、組合員生活の維持・向上、そして2006年闘争の前進に向け、最後まで精一杯取り組むことを申し上げ、決意表明とさせて頂く。共に頑張りましょう。