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各種集会
2006年闘争中央討論集会ひらく
各産別代表がパネルディスカッションで決意表明
〜1月19〜20日、熱海で〜
金属労協(IMF−JC)は、1月19〜20日、熱海後楽園ホテルにおいて、加盟産別・単組から約140名出席のもと、2006年闘争中央討論集会を開催した。
全体討議で質問に応える
團野事務局長(右)と中野次長(左)
1日目は、加藤裕治議長の挨拶の後、(株)日本総合研究所の太田清主任研究員から「雇用形態の多様化と労働所得格差の拡大および国際競争力への影響」と題して講演を受けた。続いて、「本部報告と課題提起」に移り、まず、團野久茂事務局長から「日本経団連『経営労働政策委員会報告』に対する金属労協の見解」について報告した後、中野治理事務局次長から、「『2006年闘争ミニ白書』における金属労協の主張点」について課題提起した。この後、全体討議を行い、参加者から多数の質疑・意見要望が出され、それに対して團野事務局長、中野事務局次長からコメントするなど、活発な意見交換を行った。
2日目は、5産別の委員長・会長をパネラーに、團野事務局長のコーディネーターの下、「2006年闘争における各産別の取り組み」と題してパネルディスカッションを行った。
ここでは、加藤議長挨拶要旨と、2006年闘争に向けての各産別委員長・会長の決意表明を掲載する(当日は全電線の福田委員長の代理で前田書記長がパネラーとして登壇したが、後日、福田委員長にコメントいただき掲載した)。
加藤議長挨拶要旨
「所得の二極化を防ぐためにも、景気・業績の回復を月例賃金の改善で
全体的に波及させていくことが非常に重要」
まずは中央討論集会への参加にお礼を申し上げたい。また、雪害に会われた方々に対し、お見舞いを申し上げる。今年は例年になく注目されていることもあるので、是非とも応えなければいけないという気持ちが高まってきている。結果に結びつけるための結束を強める場としたい。
各企業の業績回復は、企業単体の努力のみでなされたわけではなく、周辺で支える多くの企業や人の努力と相まってなされたものである。そのような部分までしっかり視野においた取り組みをしなければならない。また、可処分所得が将来にわたって目減りし続ける現状を訴えていかなければならない。経済の建て直しを行なった主役である勤労者がいかに報われるかが今次闘争の大きなポイントである。また、今年の経労委報告の最後に、まだ生産性三原則は生きているとあるように、いかに生産性運動の原点に立ち返るかも大きなポイントであろう。
5年ぶりに月例賃金の賃金改善に取り組むことになる。経営者は業績回復に対する還元を一時金で行なうと主張している。しかし、我々の労働の質の向上に対しては、月例賃金で報いるべきである。競争力を主張するのであればなお、今の賃金水準と我々の労働の質をどう評価しているのかについての議論がなされなければならない。また、我々も月例賃金はすべての算定の基礎となることを再認識しなければならない。さらには、月例賃金が上がらなければ消費の本格回復にはつながらない。成果主義賃金が導入されているようなところでも、賃金の総原資を増やすという意味で月例賃金の改善を求める重要性は変わらない。所得の二極化を防ぐという意味では、景気・業績の回復を月例賃金の改善で全体的に波及させていくことが非常に重要である。一時金の上昇は社会的な波及力が小さく、格差の改善にはつながらない。
経労委報告は確かにここ数年のトーンから変わった部分はある。しかしよく読めば、個別的には極めて厳しい報告となっている。昨今経営者が各所で発信している内容も含め、決して甘い気持ちで取り組まないことを肝に銘じるべきである。経営者は我々の要求にゼロで応えた実績を持っている。その意味でも今次交渉は厳しいものになることを覚悟しなければならない。また、成熟成長下において、各企業のコスト意識は大変強いものになっている。その意味でも交渉は厳しいものになるだろう。しかし、繰り返すが、周辺も含めた労働者が血のにじむ思いでコスト削減努力を続けてきた結果が収益につながっていることを鑑みれば、我々は強い気持ちで、かつ職場と一体となって交渉に臨まなければならない。また、世論のバックアップを受けられる取り組みにしなければいけない。そのために我々上部団体も戦略を練っている。要求のすべて出揃う2/22には、産別トップによる記者会見を行ない、3月初頭にはJCとして1,000名規模の大きな集会を持ちたいと考えている。そのような場で我々の声を伝えるとともに、環境整備していくことが重要だと考えている。
しかし、最終的に力となるのは職場と一体になった想いである。回答引き出しまでの約2カ月、精一杯力を合わせて闘いたい。また、従来のような100円玉が行き来する交渉ではなく、取るか取らないかの非常に難しい交渉になると思われるだけに、なお一層決意を固めて取りきらなければならない。
2006年闘争に向けた
各産別代表の決意表明
<電機連合 中村正武代表>
「人への投資が重要、成果反映をしっかり求めていきたい」
これまで何度となく人への投資が重要であると言ってきた。自らの労働の価値を高めながら競争力の強化に向けて生産性の向上に努力し続けている組合員に対して、成果反映をしっかりと求めていきたい。また、企業には、電機産業でも夢が実現できるというメッセージを発信してもらいたい。その一つとして若者にものづくりの喜びを与えるためにも魅力ある労働条件を確立してもらいたい。今次闘争は非常に難しい交渉になると認識しているが、連合・JCの中核産別として役割と責任を果たしていきたい。
<自動車総連 加藤裕治会長>
「今年は1000 を超える組合で取り組み満額回答をめざす」
昨年は643組合が賃金改善の取り組みを行なった。今年は1,000を超える組合で取り組み、満額での回答を目指していきたい。一時金も当然満額での回答を目指す。メーカー組合には3月15日午前中の回答引き出しを守ってもらいたい。部品についても3月月内決着を昨年よりも増やしたい。また、連合における増税反対の取り組みに対して、職場まで一体となった運動の協力をお願いしたい。自動車関係諸税の取り組みに対しても理解をお願いしたい。
<JAM 小出幸男会長>
「今年は中小でも最低4500 円以上を獲得する取り組みとしたい」
今年の交渉のポイントは、いかに中小における賃金低下を食い止めるかである。大手の賃金改善の取り組みを社会全体に広げることによって相乗効果を生み出し、中小の賃金低下にストップをかけることが肝要である。昨年の連合中小共闘では、一昨年比500円引き上げの方針に対して、53%の組合が500円以上を獲得した。しかし平均定昇込み4,500円以上となると26.7%でしかない。賃金カーブ維持分を勘案すれば、4,500円を獲得できなければ賃金水準は低下することになる。今年は、中小でも最低4,500円以上を獲得する取り組みとしたい。
<基幹労連 宮園哲郎委員長>
「賃金改善へ責任を持って成果の引き出しに全力を上げる」
基幹労連を結成して3年目にして、ようやくひとつの産別としての一体的な取り組みという姿にすることができた。そのベースとなるのが、旧三産別時代からのさまざまな違いを乗り越えて取りまとめた中期的な産業・労働政策である「アクティブビジョン2010」である。今次取り組みは、@2 年サイクルでの初の春季取り組み、A初の産別一体取り組み、B「賃金改善」という考え方にもとづく初の具体的取り組みといった「初」という文字が並ぶことになる。今次闘争で結果を出すためには、JC5産別が緊密な連携のもと、それぞれが責任を持って成果の引き出しに全力をあげることが重要である。
<全電線 福田良雄委員長>
「組合員の期待を背景に取り組みを強化したい」
これまで、産業・企業の発展が組合員生活の向上につながるとの基本的認識のもと取り組んできた。未だ電線産業は厳しい状況も抱えている。しかし、改善傾向にある企業実態や協力・努力を重ねている組合員の期待等を背景に、取り組みを強化したい。そして、2006年闘争の前進に向け、JC共闘の一員として、役割を発揮できるよう努力していきたい。