第3回戦術委員会確認事項
2007年2月27日
全日本金属産業労働組合協議会
(IMF−JC)

 金属労協は、本日午前10時より第3回戦術委員会を開催し、集計登録組合を中心とした要求提出の状況を把握し、今後の交渉に臨む基本姿勢を以下のとおり確認した。

各産別は経営者団体との間で労使会議等を開催するとともに、各企業連・単組は産別方針に基づき、2月中旬以降、順次要求提出を行い、団体交渉のスタートを切っている。


@集計登録組合は2月27日現在、57組合が要求を提出した。このうち、2006年闘争で決定済みの基幹労連16組合を除き、40組合が賃金改善要求を行っている。
A一時金を交渉で決定する組合では、好調な業績を反映して、多くの組合が昨年と同様もしくは上回る要求を提出している。
B最低賃金協定については、現在、集計登録組合のうち51組合が18歳最低賃金協定を締結し、5組合が全従業員対象の最低賃金協定を締結している。さらに、これまで未締結であった組合においても、協定締結に向けて取り組んでいる。
Cまた、ワーク・ライフ・バランス、労災付加補償など、産業・企業ごとに重点項目を掲げ、労使交渉・協議を行っている。

 

要求提出に当たって、われわれは、日本経済が企業部門の好調に対して家計部門への波及が不十分なままとなっていると認識する。事業構造改革など企業基盤の強化に取り組み、企業を支えてきた勤労者に適正な配分を行い、個人消費を中心とした本格的内需型景気へと日本経済を転換する必要がある。また、労働需給の逼迫もみられるなかで、技術・技能の継承や人材確保は、企業にとっても重要な課題である。
今こそ、競争力の源泉である「人」への投資を積極的に行い、やりがいを持って働くことのできる魅力的な労働条件を確立しなければならない。とりわけ、組合員の生活の基礎である月例賃金を改善することが、組合員の意欲・活力を高めることになる。
また、社会的に大きな課題として浮上している所得格差問題に対応するためにも、月例賃金の引き上げを社会全体に波及させることが、経営にとっても極めて重要と考える。

 

こうした組合主張に対して経営側は、「賃金引き上げは、固定費を増加させ、コスト増となり、国際競争力を低下させる。中長期的な観点から慎重に判断する。」「企業ごとに業種・業態・業績等が異なる中で賃金水準を同額にすることは疑問である。」「一時金の引き上げが収益に与える影響は極めて大きい。企業業績、支払能力を考えて判断すべき。」などと主張し、企業を支える「人」の重要性は認めながらも、賃金の社会性が重要であるとのわれわれの主張に対して、厳しい姿勢で臨んでいる。
こうした経営側の主張は、日々企業の発展と生産性向上に協力・努力する組合員に対して感謝するとしながらも、その努力に報いるための費用支出はまったく別問題との姿勢を示したものであり、容認することはできない。

 

金属労協は、JC共闘の実を挙げ、組合員の生活を守り、格差是正を図るべく要求実現へ向けた交渉を強力に展開していく。


○月例賃金の重要性を認識し、社会的賃金相場形成へ向け、すべての組合で賃金構造維持分を確保した上で、要求趣旨に合致した賃金改善を実現する。
○一時金については、業績改善にふさわしい「積極的な水準引き上げ」を果たす。
○ワーク・ライフ・バランスについては、課題を的確に抽出し、団体交渉や労使協議によって改善へ向けて着実な前進を図る。

 

今次闘争では、集中回答日に引き続いて回答を引き出す組合を含む闘争の波及力を強めるため、地域や業種の中堅・中小労組に影響力のある労働組合を、「中堅・中小登録組合」として登録を行い、3月23日までに回答を引き出した上で、公表することとする。

 

次回第4回戦術委員会は、3月9日(金)午前8時より開催する。

以上