第3回戦術委員会確認事項

2010年2月25日
全日本金属産業労働組合協議会
(IMF−JC)



金属労協は、本日午前10時より第3回戦術委員会を開催し、集計登録組合を中心とした交渉状況を把握し、今後の交渉に臨む基本姿勢を以下のとおり確認した。

 
  1. 各産別は経営者団体との間で労使会議等を開催するとともに、各企業連・単組は産別方針に基づき順次要求を提出し交渉に入っている。
    @ 本日現在、集計登録組合55組合のうち54組合が要求を提出し交渉に入った。
    A 一時金を交渉で決定する組合は34組合となっている。(業績連動方式は20組合)
    B 総実労働時間短縮と時間外労働割増率の引き上げ、仕事と家庭の両立支援、企業内最低賃金協定の水準の引き上げおよび労災付加補償の引き上げなどの諸要求項目については、それぞれの産別方針の下に交渉を行っている。
    C 非正規労働者に関わる労使協議についても積極的な取り組みを行っている。

  2. 交渉において我々は以下の諸点を中心に組合主張を展開している。
    @ 金属産業全体では業績にバラツキはあるものの、組合員の努力と協力により総じて回復基調にある。今次要求の賃金構造維持分の完全実施は、懸命な努力を続ける組合員の生活を守り、モチベーションを維持するためのギリギリの最低限の要求である。
    A 業績の適正な配分、賃金格差の是正や賃金制度のゆがみの是正を求める賃金改善については、自社の課題改善にとどまらず、景気と消費の底支えに寄与する姿勢をもって労働組合の要求に前向きに応えるべきである。
    B 一時金は生活の大きな柱であり、業績が厳しい中にあっても生活の維持を図れる水準の確保が必要である。
    C ワーク・ライフ・バランスの実現に向けて、総実労働時間の短縮と時間外労働割増率の引き上げ、実効ある仕事と家庭の両立支援などが必要である。ワーク・ライフ・バランスの実現は仕事に対するモチベーションを高め生産性の向上をもたらすとともに、雇用の維持・創出や新たな需要の拡大にもつながるものである。
    D 企業内最低賃金協定締結・水準の引き上げによって賃金の底上げを図る事が必要である。協定締結の拡大と水準の引き上げは金属産業に働く非正規労働者の労働条件改善にもつながるものである。また、非正規労働者の受け入れに当たっての十分な労使協議が必要である。
    E 企業内労災付加補償は世間動向を勘案し引き上げを求めるものであり要求に沿った対応を求める。

  3. こうしたわれわれの主張に対して経営側は、「総額人件費を抑制することが必要不可欠である」としていずれの要求項目についても消極的な姿勢にある。
    @ 賃金構造の維持については、「慎重に判断したい」との姿勢であるが、一部経営者には「賃金カーブは不変ではない」「物価上昇率がマイナスの中で人件費負担の問題をよく考えなければならない」など、賃金構造維持分の完全実施に否定的な姿勢も見られる。
    A 一時金については、「かなり重い要求である」「要求水準は過大と受け止めざるを得ない」など、組合員の業績改善に向けた努力や生活実態に思いをはせることなく、直近の業績見通しのみにこだわった対応姿勢にある。
    B 時間外労働割増率の引き上げについては、「コスト増に繋がる割増率の引き上げには厳しくならざるを得ない」「法定を上回る要求に応じることは困難である」など、厳しい姿勢にある。
    こうした経営側の主張からは、厳しい経営環境の中で最大限の努力を傾注している組合員の生活とモチベーションの維持、内需を底支えしデフレ経済からの脱却に責任を果たそうとする姿勢が窺われない。

  4. 各産別、企連・単組は要求趣旨の徹底を図り、組合主張に沿った回答を求め強力な交渉を展開していく。交渉にあたっては以下の考え方を共有し要求実現に向けて全力を傾注することとする。
    @ 賃金構造維持分の完全実施を求める。
    A 賃金改善に取り組む組合は要求に沿った回答を求める。
    B 一時金については要求に沿った回答を求める。
    C 企業内最低賃金協定の締結拡大と水準の引き上げを図る。
    D 産別指導の下に取り組むワーク・ライフ・バランスの実現、時間外労働割増率の引き上げ、労災付加補償の引き上げ等の諸要求項目の実現を図る。


  5. 次回第4回戦術委員会は、3月12日(金)17時30分より開催する。

    以 上