第4回戦術委員会確認事項

2010年3月12日
全日本金属産業労働組合協議会
(IMF−JC)



金属労協は、本日17時30分より第4回戦術委員会を開催し、集計登録組合を中心とした交渉状況を把握し、今次交渉の最終局面を迎えるにあたり、今後の交渉に臨む基本姿勢を以下の通り確認した。

  1. 各企業連・単組は産別方針に基づき中盤の交渉に全力を傾注してきたが、労使の主張に未だ乖離を残したまま最終局面を迎えようとしている。交渉において経営側は「総額人件費の抑制によるコスト競争力の強化」を主張の基本におき、いずれの要求項目に対しても厳しい姿勢を示している。
  2. 金属労協は、目先の固定費削減を最優先とする経営姿勢を転換させ、組合員の生活とモチベーションの維持に必要な最低限の要求に応えさせるため、交渉の最終局面にあたり今次闘争の重要性と社会的責任を再確認し、今後の交渉に臨む基本方針を以下のとおり確認する。
    @ 金属産業全体では業績にバラツキはあるものの総じて回復基調にある。今次の要求はこれまで過去に例を見ない厳しい環境の中で、各種施策に最大限の協力と努力を続けてきた組合員に報いるための要求である。この要求に応えることは日本経済と社会の底支えを図るための企業の社会的な責任でもあることを強く訴え、組合主張に沿った回答を求める。
    A 賃金構造維持分の確保は、組合員の生活を守りモチベーションと働きがいを維持するために必要不可欠のものである。一部の経営者に消極的な姿勢も見られるが、賃金構造維持分の完全実施は人事処遇制度の根幹であることから、不退転の決意で完全実施を求める。また、賃金改善を求める組合については改善の必要性を粘り強く訴え要求趣旨に沿った回答を求める。
    B 一時金について、経営側は組合員の業績改善に向けた努力は認めつつも、産業・企業の先行き不透明さを理由に未だ消極的な姿勢に終始している。われわれは組合員の協力・努力に報いるため、要求の趣旨に沿った回答を求める。なお、厳しい環境の中にあっても生活の安定を確保する観点を最重要視し、最低獲得水準(年間4ヵ月)以上の回答を求める。
    C 時間外労働割増率の引き上げについては、コスト増に繋がるとして要求に応じる姿勢が見られないことは遺憾である。長時間労働是正と総実労働時間の短縮によるワーク・ライフ・バランスの実現は、仕事に対するモチベーションを高め生産性の向上をもたらすとともに、雇用の維持・創出や新たな需要の拡大にもつながるものであることを主張し要求に沿った回答を求める。
    D 企業内最低賃金協定締結の拡大と水準の引き上げは、金属産業に働く非正規労働者の労働条件改善にもつながる社会的にも重要な取り組みであることを踏まえ、要求に沿った回答を強く求める。あわせて、非正規労働者の雇用と労働諸条件に関わる労使協議の充実を図る。
    E 労災・通災付加補償は要求に沿った回答を求める。

  3. 各産別、企業連・単組は、上記の方針と今次闘争の重要性および社会的責任を再確認し最後まで一丸となって強力な交渉を粘り強く展開し、要求の実現を図ることとする。

  4. 各産別は、集計登録組合に引き続いて回答を引き出す中堅・中小労働組合の支援に万全を期すこととする。


  5. 次回戦術委員会は、3月17日(水)11時より開催する。