金属労協第52回協議委員会

産別意見要望と本部答弁


真中協議委員(JAM)
真中協議委員 JCの方針に賛成の立場から、JAMの現在の考え方を申し上げ発言としたい。
日本経済の足元は、政府による景気対策の効果もあり、2四半期連続の回復と報道されているが、我々JAMとしては、到底そういう認識には立つことができない状況である。ご存知の通りJAMは、構成組合の8割が300人未満の中小であり、昨年秋のリーマンショック以降、急激かつ大幅な落ち込みに対して何とか雇用を継続していくため、休業操短、賃金カット、事業所間の応援など、構成単組の約半分が耐えしのいでいるのが現実である。住宅・アルミ建材、工作機械などは半分以下の状態が今も続いている。
 こうした環境の中にあって、JAMとしても年々低下し続けてしまった賃金水準を何としても維持・守りきるために、「構造維持分の確保」に向けた取り組みを強化したいと考えている。しかし、現実には賃金制度が確立されていないところも少なくないので、先々人材の確保が困難になることが予想される。そのため、まずは賃金の現状を把握、分析し、将来を見据えた労使協議を開始できるよう、それぞれの実情に合わせた賃金制度の確立に向けた活動を強化していきたいと思う。
 さらに、賃金構造維持分の確保の取り組みと合わせて、来年4月に施行される「割増率の改定」についても、法的には対象となっていない中小組合についても、JAMとしては労基法改正の趣旨を踏まえ、45時間超の部分について全ての単組において労使交渉により引き上げるべく取り組みを展開していくことにしています。
 最後に、長年の歴史を持つJC共闘が、連合の共闘組織の中で先導的な取り組みをお願いし、JAMとしての発言としたい。
弥久末協議委員(基幹労連)
弥久末協議委員 2010年闘争の推進(案)に対し、原案賛成の立場で、基幹労連としての意見・要望を申し上げる。
基幹労連は2006年闘争より2年サイクルの取り組みを実施しており、10年闘争は全ての組合が組織化する「基本年度」として取り組むこととしている。それだけに、今回の取り組みに対して、組織が一丸となってあたるために、置かれた状況を十分に踏まえて、これまで以上に様々な観点からの産別内部での議論を展開してきた。
そのもとで、我々は「魅力ある労働条件づくり」と「ものづくり産業の競争力強化」の「好循環」を創造するとした基本的な考え方を確立してきた。今回の取り組みにおいても、これまでの取り組みで培ってきた基本的な考え方である「好循環」の観点から「魅力ある労働条件づくり」に資する効果的な「人への投資」を求める考え方を堅持していくこととした。
「人への投資」については、その最たるものとして「月例賃金が中心」となる考え方を基本にしつつも、経済・物価や雇用・収益動向など様々な環境も踏まえて、12月に開催する討論集会で討議していくこととしている。そうしたことも踏まえつつ、この10年闘争においては、社会的責任を果たすという観点も含め、将来にわたる雇用と生活の「安心・安定」の確保を最重要課題とした取り組みを検討している。
その中心は、厚生年金報酬比例部分の支給開始年齢が引き上げられる所謂2013年問題への対応としての60歳以降の雇用確保、そして、一時金において基幹労連として「生活を考慮した要素」と位置付けている4カ月相当の確保と水準回復、そして、現時点では内容は検討中であるが、あらゆる視点からの労働時間縮減による雇用確保・創出である。さらには、働く者全ての雇用確保と待遇改善にも取り組んでいくこととしている。
我々は、今次取り組みにおいて、これらの取り組みに「人への投資」を求めていくべきであると考えている。それは、現在の厳しい雇用・経済環境の中で、モチベーションの継続と次なる活力に繋がる基礎的なものとして、「雇用と生活の『安心・安定』を確実に確保する」ことを、足下の最重要課題としたものである。あわせて、連合方針にもあるとおり、労働条件の取り組みと政策制度を車の両輪を回していくことが労働界に求められていることも踏まえ、労働組合としての社会的責務を果たしていく必要があると受け止めているからである。
とりわけJCに求めておきたいことは、先行き見通しも含め、働く者・生活者を取り巻く厳しい環境を見据えつつ、連合の主要産別があつまる組織として、そして「ものづくり」産業に働く者の代表として、社会的責務を果たすべく、積極的な取り組みを進めることである。
基幹労連としては、先に申し上げた取り組みなどを通じて、我々としての社会的責務を果たしていきたいと考えている。働く者の「安定・安心」そして信頼の確立に向けて、精一杯の取り組みを展開することを誓い、意見表明とする。

門馬協議委員(全電線)
門馬協議委員 闘争方針について賛成の立場で数点発言をさせて頂きたい。
経済・情勢認識
まず、経済・情勢認識について、電線業界においては2009年度の銅電線出荷量は1975年以来34年ぶりの70万d割れとなる内外需合計で64万8千dの改訂予測となった。需要部門別に見ると通信、電力、電気機械、自動車、建設・電販、その他内需、輸出の全ての部門が当初予測比で下方修正となり対前年度比でも前年度を下回る見込みとなっている。
大手の中間期決算結果についても、前年同期と比較し売上高では、9社すべてが減収、経常利益でもすべてが減益となり、そのうち7社が赤字となっている。また、2009年度通期見通しでは、売上高では9社すべてが減収となっているものの、経常利益については2社が増益、5社が黒字転換となるなど、若干ながら回復の基調との見方がされている。
とりわけ自動車関連部門・エレクトロニクス関連部門については、主要な需要先の回復により堅調に推移すると見られているが、電線需要割合が最も多い「建設・電販部門」については、設備投資、住宅投資の減少から、引き続き厳しさが継続しており、電線産業の足下は今後も予断を許さない状況との認識である。

春闘への取り組みにあたっての留意点
このような状況での春闘への取り組みである。まず、取り組むにあたっては三点ほど留意点があると考える。
ひとつは、日本経済の現状と今後の動向。二つ目は電線産業全体として厳しい状況が未だに回復していないこと。そして、三点目に連合・JCにおける、具体的な取り組み方針に対する産業実態に即した設定である。組織論議として決定はしていないが、これらを十分に考慮していくなかで多面的な角度から日々状況変化を把握しつつ検討を進めていきたい。

具体的な取り組み項目
具体的な取り組み項目では、賃金についてですが、これまで組織内の諸会議において、取り巻く情勢、産業・企業実態やそれぞれの単組動向などの状況把握を行なうなかで検討を行っている。特に「賃金構造維持分の確保」を図りながら、条件の整う単組においてはどのような改善ができるのか、JC方針を踏まえながら、今後、十分な組織論議を行うなかで具体的な取り組みを決定していきたいと考えているので、ご指導をお願いしたい。
また、一時金の取り組みについては、これまでの政策を基本に、生活水準の維持向上を図るための年間賃金の一部として、組合員の生活を守る観点から主張していきたいと考えているし、昨春闘で大幅に低下した妥結月数を、全体として適正な水準へ回復させるための努力を進めていきたいと考えている。
さらに、ワーク・ライフ・バランスの実現では、労働時間短縮について、長時間労働是正の観点から時間外労働割増率などに取り組むとともに法改正への対応の観点から月60時間超の時間外労働算定対象時間の扱いについても、統一的な考え方のもとで取り組んでいきたい。
以上、電線業界の状況と春闘への取り組みを中心に考え方を述べさせて頂いたが、今後についても、組合員の雇用の安定と生活の維持・向上に向け、全電線として、JC共闘をよりどころに産別として精一杯取り組んで参りたく、JC共闘の一員として、最大限努力することを申し上げ、方針に賛成の意見とする。

石村協議委員(電機連合)
石村協議委員 「2010年闘争の推進」を支持する立場から、4点、意見・要望を述べさせていただきたい。

賃金要求について
まず、1点目は「賃金要求」についてである。現在の我々を取り巻く環境は、年初の厳しさからは持ち直しつつあるものの、本格的な景気回復には至らず、電機産業・企業の業績も依然厳しい状況が続いている。また、政府は、11月20日に発表した11月の月例経済報告で「緩やかなデフレ状況にある」と、日本経済がデフレ状態にあると公式に認めるなど、先行き懸念も大きくなっている。デフレは、申し上げるまでもなく、買い控えが進み、企業は値下げ競争に走り、このことによって業績は悪化し、最終的には企業がコスト削減のために賃金・雇用を抑制するといった行動に出ることは、2001年以降の経過をみても明らかである。それだけに、雇用不安の払拭と生活の底割れを防ぐ取り組みとして「賃金制度に基づき賃金構造維持分を確保する」という金属労協(IMF-JC)の方針に賛同するものである。交渉は厳しいものとなることが想定されるが、賃金水準の維持は組合員の生活を維持することに加え、内需の底割れを防ぎ日本経済の回復に寄与する重要な取り組みであることを認識し、電機連合として、金属労協の完全実施という方針に沿った取り組みを行っていきたいと考えている。

企業内最低賃金の取り組み
2点目は、「企業内最低賃金への取り組み」についてである。
電機連合は、金属労協(IMF-JC)の方針にもある通り、企業内最低賃金の水準を引き上げ、協定の締結促進を積極的に推進することにより、企業内におけるパートタイマーなど非正規労働者の賃金の底上げを図る「法定産業別最低賃金」の水準引き上げに、注力してきた。この法定産業別最低賃金は、特に非正規労働者を含む中小企業に働く未組織労働者の賃金の底支えに大きな役割を果たしています。電機連合として、この制度のもつ役割と重要性を強く認識し、産別としての役割をしっかり果たしていきたいと考えている。
労働基準法改正への対応
3点目は、労働基準法改正への対応についてである。ワーク・ライフ・バランス実現のためには、その大前提となる長時間労働の是正につながる「働き方改革」の視点をもった取り組みが求められる。長時間労働を抑制し、労働者の健康確保や仕事と生活の調和を図ることを目的とした改正労働基準法の趣旨を踏まえ、働き方改革につながる長時間労働是正の取り組みを労使で引き続き推進するとともに、総実労働時間の短縮によってワーク・ライフ・バランスの実現をめざす観点から、時間外割増率の改善に取り組む。具体的には、時間外労働時間の積算方法や電機連合の方針としての40時間超から60時間までの割増率50%、休日割増率50%への引き上げなど、金属労協の方針に沿った積極的な取り組みが必要だと考えている。電機連合としてもJC共闘あるいは連合・金属部門連絡会議による一層の結束した取り組みにより、金属労協(IMF-JC)傘下の全組合が前進を図れるようJC本部の指導力発揮を要望したい。

労災・通災の企業付加補償の引き上げへの取り組み 4点目は、「労災・通災の企業付加補償の引き上げ」についてである。
近年、労災認定基準の変更に伴い精神疾患や過労死による労災認定の増加など、安全衛生面におけるリスク管理の重要性は高まってきているといえる。電機連合としては、総実労働時間短縮にこだわった取り組みを早くから推進してきたし、2007年には「ワーク・ライフ・バランス5ヵ年プログラム」の策定、そして今年の7月の定期大会では「メンタルヘルス対策ガイドライン」を改定、今年は「安全衛生対策指針」の見直しを行うなど、技術革新等の進展による労働・作業環境の変化や、長時間労働など、我々を取り巻く環境の変化に対応した労働者の安全と健康をはかるための取り組みを推進してきた。
1998年に死亡ならびに障害等級1〜3級の労災付加補償を3200万円に引き上げ、それ以降、要求していないのが実態である。労災・通災については、発生させない取り組みを基本としつつ、不幸にも発生した場合の対応も非常に重要な取り組みとなる。これまた改正労基法への対応と同様、JC共闘による相乗効果を高める観点から、加えて、産別によって取り組み時期が違うことから、JC本部の一層の指導力発揮を要望したい。

神原協議委員(自動車総連)
神原協議委員 自動車総連としては、JC2010闘争の推進に対して、賛成の立場で意見表明をしたい。

産業状況
自動車産業は、在庫削減が一巡し、中国をはじめとする新興国需要の堅調さ、日本を含めた各国の新車購入支援策の効果などもあり、生産・販売ともに今年の前半期の最悪期は脱しつつある。こうした中で、最近の新聞などの報道では、業績見通しの赤字幅縮小、上方修正などを踏まえ、自動車復活といった論調が目立っている。
しかしながら、自動車産業の現実は、報道内容とは異なり、依然として厳しい状況が続いている。具体的には、生産台数の絶対値は、昨年夏以前の8割程度の状況となっている。産別の多くを占める中小を中心とする部品企業では、これまで約8割で雇用調整助成金を活用してきた。さらに、足元では、依然低水準の生産状況ではあるが、生産量がどん底時点よりは、徐々に回復していることから、来年3月末にかけて雇用調整助成金の支給用件に外れるところも相当数想定される実態にある。こうした中で、労使は最大限の努力を行い、雇用の維持と企業存続に懸命に取り組んでいる状況にある。
また、産業全体の先行きについては、雇用情勢の悪化、デフレが宣言された経済情勢、90円を切る急激な円高といった不安定な為替動向、各国の新車購入補助策に打ち切りに伴う反動による需要減の懸念など、2番底の危機感もあり、産業の先行きは、全く不透明である。
こうした産業実態を踏まえると、本格的な回復軌道に乗ったと判断するまでには到底、至っていない状況であり、2010年春取りにおいては、自動車総連全体で、足元の雇用を何としても維持し、働く者の生活を守るために最大限の努力を行っていかなければならないと考える。

賃金について
次に、賃金について申し上げたい。
賃金の取り組みについては、今回のJCの方針については、理解できるところである。自動車総連としても、2010年の取り組みに向けては、デフレに陥ったマクロ経済、物価動向、中長期の視点を踏まえた産業情勢、産業内外の格差是正への対応、組合員の生活実態や会社施策に対して懸命に協力する組合員の努力・頑張りへの対応など、様々な観点を踏まえ、産別内で議論を重ねてきたところである。
今後、JCの方針も踏まえ、産別として要求方針の詰めの議論を行っていくが、次の2点を包含するものとしていきたい。
1点目は、賃金カーブ維持分に徹底的にこだわること。
2点目は、組合員の努力・頑張り、賃金格差・体系の是正などの観点を踏まえ、賃金改善に取り組め組合、あるいは取り組もうとする組合の下支えをしていく。
企業実態などにバラツキもあるが、各組合が目標感を持って最大限の取り組みを行い、自動車総連全体で前を向いて活動できる2010年の取り組みにしていきたい。
非正規労働者への対応
次に、非正規労働者の取り組みについて申し上げたい。
自動車産業は、昨年後半以降、需要が蒸発したとも言われた大幅かつ急激な生産販売の減少を受け、個別労使ではあらゆる稼働対応を行ったが、結果として多くの非正規労働者の雇用に影響を及ぼすことになった。 こうした経緯も踏まえ、同じことは繰り返してはならないとの思い、さらには、労働組合の社会的な役割を果たしていくために、同じ産業、企業、職場で働く仲間である非正規労働者への対応力を一段高めていきたい。 こうした視点に立って、自動車総連としては、産業固有の対応として非正規労働者の直接雇用の推進、正社員への登用制度の構築推進に取り組むとともに、企業内最低賃金協定の締結に向けて、従来以上に取り組みを強化していきたい。また、非正規労働者を受け入れる場合には、直接雇用・間接雇用を問わず、受け入れから契約満了までの対応について、コンプライアンスの観点からの点検機会を設けることや、契約期間満了までの雇用確保などについても取り組みを徹底したいと考えている。
政策制度の取り組み
次に、政策制度の取り組みについて申し上げたい。
連合が、労働条件と政策制度の取り組みを車の両輪として強力に推進していくことについては、評価したいと考える。
政権交代という大変革により、連合、JCとしての民主党政権に対する影響力、発言の重みは格段に大きくなっており、連合、JCには労働者の視点ももちろんのこと国民レベルでの責任ある対応が求めれるのではないかと認識している。
自動車総連としても、労働組合のこうした立場、役割を踏まえ、政策実現に向けた取り組みを行っていきたい。
加盟組合は、政権交代後、はじめてとなる今回の春取りでの政策制度の取り組みに対して強い関心を持っている。組合員の期待に応えるためにも、今次取り組みにおいて政策制度を大きな柱に位置づけるとともに、上部団体として政権交代後の春取りにおける政策制度の取り組みのあり方・進め方について、明確な指針を示していただくことをお願いしたい。
本部答弁 若松英幸金属労協事務局長
若松英幸金属労協事務局長 厳しい環境であるからこそ、
トップランナーとしての責任を果たすべく、
JC共闘で一致団結して前向きに取り組もう

@ 各産別から原案賛成の立場で意見・要望をいただいた、主な意見・要望は、「賃金構造維持の取り組みの強化」、「一時金の適性な水準の回復」、「ワークライフバランスの実現と時間外割増率への取り組み」、「非正規労働者への対応強化」、「60歳以上の雇用確保」、「労災付加補償への取り組み」、「政策・制度要求の実現」などに集約される。

A まず、全産別から賃金構造維持に向けた力強い意思表明がされた。加えて、JAMからは、止まらない賃金低下への対策として、賃金構造維持分に向けた取り組みと合わせて、人材確保の視点も踏まえた賃金制度の確立に取り組むとの発言があった。中小労組に共通する課題と受け止める。産別の指導の下、賃金制度改善に積極的に取り組んでいただくとともに、JCとしてもそれを支えていきたい。

B 続いて、一時金について全電線と基幹労連から意見表明があった。年間賃金の一部として、組合員の生活を守る観点から適正な水準を取り戻すべく主張するとの主旨であった。JC全体として、最低獲得水準4ヶ月を下回る組合が約60%に上る現状の改善も含めて、4ヵ月回復に強くこだわった交渉が必要と認識している。

C 電機連合からは、総実労働時間の短縮とワークライフバランスの実現を目指す立場から、時間外割増率の改善に取り組むとの発言があった。その先駆的な取組に敬意を表するとともに、成果も期待するところである。

D 自動車総連からは、非正規労働者への対応について具体的な取り組みへの考えなどが述べられた。直接雇用と正社員登用制度の推進は、闘争方針で掲げる「ヒューマンな長期安定雇用」、「二重の不安定の解消」という視点から重要な取り組みであると認識している。また、非正規労働者の受け入れに当たって徹底すべき点についても、全体の課題と受け止める。幅広い十分な労使の事前協議をお願いしたい。

E 電機連合からは、十数年ぶりの労災付加補償の引き上げ要求に関して意見表明があり、JC全体として取り組むことを確認させていただいた。3400万円の水準に早期に到達できるよう、各産別の取組強化をお願いしたい。

F 基幹労連からは、雇用と生活の安心・安定を確保し、社会的責任を果たす観点から、厚生年金の支給開始年齢引き上げに応じた60歳以上の雇用確保について検討しているとの意見表明があった。闘争方針にも掲げた通り、JC全体にとって重要な課題である。

G 中小企業の厳しい状況と雇用調整金について、自動車総連とJAMを中心に意見が表明された。JCとしても、中小企業の厳しい状況を十ニ分に認識しながら、雇用調整金が引き続き活用できるよう、要件緩和などの政策・制度的な取り組みを強化していく。財源不足も指摘されているが、一般会計からの借入を含めた対応強化を要請したい。

H 来春の卒業予定者が将来にわたって正社員になれない「ロスト・ジェネレーション」とならないためにも、雇用調整金も用いた新卒採用の仕組みを構築するなどの政策的主張をしている。

I 円高とデフレに関しては、自動車総連からも意見があった。このままでは、金属産業は深刻なデフレと急激な円高のダブルパンチに見舞われることになる。2000年代と同様、デフレ脱却に向けた金融政策の実現に強力に取り組みたい。

J 政策・制度の取り組みについて、自動車総連から意見があった。鳩山内閣の下で労組の政策を実現する時がようやく来た。国民の生活が第一であることは言うまでもないが、同時に、ものづくり立国としての我が国の成長基盤を確立していくことも極めて重要である。そうした意味で、生活者、生産者、納税者としてバランスの取れた政策・制度要求を行う金属労協の責任は極めて重大である。来年4月に2010年〜2011年の政策制度要求を策定するが、各産別からの積極的な議論参加をお願いしたい。

K 長期安定雇用の下で築き上げられてきた我が国のものづくり産業を、JC共闘は「人への投資」という面で支えてきた。連合の部門共闘の強化に寄与する点でもJCは重要な貢献をしている。厳しい環境であるからこそ、日本の労働運動のトップランナーとして責任を果たす決意のもと、JC共闘の加盟5産別と一致団結して前向きに2010年春季生活闘争に取り組んでいきたい。