2010年闘争推進集会 |
パネルディスカッション要旨 |
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・少しは明るさが見えてきたが、2輪や大型など非常に厳しい状態にある。 ・国内販売についても31年ぶりの低水準。国内市場の回復が至上命題。 (電機連合 泉田書記長) ・電機大手各社の海外売上高比率は半分を超える。世界規模で市場が収縮した影響は非常に大きい。グローバル競争の中で非常に苦戦を強いられている。 ・08年度決算に比べて、政策効果等もあり収益は改善してきたものの、厳しい状況は続いている。 (JAM 斉藤書記長) ・JAM傘下の多くの業種で生産量は全体で見れば7割強。悪いところは未だに5割を切っている。雇用動向については、雇用調整に関する提案は09年1〜3月がピークだが、10〜12月にいたってもなくなってはいない。故に、明るい兆しは出てきてはいるものの未だ全体的な回復には至っておらず、これからさらに悪化するところも出てくることが懸念される。 ・大手の明るい兆しが中小に波及するには至っていない。 (基幹労連 神津事務局長) ・3産業総じて非常に厳しい。鉄鋼は粗鋼生産量が一気に深刻な状況にまで低下。非鉄は価格の持ち直しにより若干回復傾向。船重は、仕事量は多いが受注が全くできていない。造船専業はフル操業。 (全電線 海老ヶ瀬書記長) ・銅電線出荷量は年度見通しが75年水準に。光ファイバーは06年の7割の水準に。 ・上期は昨年の悪い状況から脱し切れていなかったが、下期に入り若干持ち直しの兆しも見えてきている。 ・昨年来の操業の急激な落ち込みを受けて雇用情勢が非常に厳しくなった。昨年の中央委員会で経営雇用対策本部を設置し緊急雇用対策を確認した。また緊急雇用実態調査を実施し、実態把握を行うとともに定例労使会議等で要請を行ってきた。
・カーブ維持分や制度維持分が既に約束されている単組も多い。その部分まで交渉の対象となっているというような印象を持たれないような情報の発信が必要。 ・昨年闘争では220組合がカーブ維持分を確保できなかった。今次闘争ではそのことを踏まえながら完全実施に向けての取り組みを強化していく。 ・賃金改善に取り組むメーカー組合もいくつかある。そこに対しては産別としてしっかりと支えていく。 ・経営側の内需に対する想いが軽くなっているきらいがある。企業の向いている方向が本当に正しいのか、産業全体のことも考えながら見ていくのが産別の役割。産別・労連・単組それぞれがそれぞれの役割としっかり果たしていく取り組みとしたい。 (泉田書記長) ・総合労働条件改善と政策制度の改善を車の両輪と位置づけて取り組む。 ・賃金体系維持の完全実施という表現は入っていないが、完全実施は大前提で当然のことであり要求に入れる必要はないということであり、意思統一はできている。 ・今年もJC共闘の役割は重い。企業業績は確かに厳しいが、多岐にわたる要求項目について、交通整理をしながら真摯に議論をし、結果につなげていきたい。 (斉藤書記長) ・底上げの努力を続けていく重要性の認識は今後も変わらない。 ・全体の底上げを進めるためにも水準を基本とした取り組みは今後も進めていかなければならない。特に中小においては待ちの姿勢では出てこない。きめ細かな対応が必要。 ・今次交渉を通じて、各単組が企業の今後について協議していくことが非常に重要。そのためにも必ず要求を提出し、協議・交渉を行うようにしなければならない。 ・今後も中小のものづくりが日本のものづくりを支えていくための基盤整備に向け、しっかりとした労使協議を進めていく。雇用を守る。賃金は下げない。 (神津事務局長) ・取り組みの理念を大切にしたい。すなわち「好循環」と「人への投資」。 ・非常に厳しい状況の中でも企業が存続できているのは、労使の切磋琢磨の賜物である。だからこその人への投資の重要性を繰り返し訴えていく。 ・60歳以降の雇用延長において、再雇用制度は我々の考える安定雇用ではない。すべての人が無収入状態にならない制度構築に向けて取り組んでいく。 ・日本の経営者はいつから日本の将来を見据えた労使交渉のあり方を考えなくなってしまったのか。このままなら経労委報告をこの時期に出す意味はない。金属産業の労使が産業、ひいては日本の将来を考え真摯に労使交渉を進めていくべきと考える。 (海老ヶ瀬書記長) ・組合員の雇用の安定に向けて、春闘期間中も取り組みを強化していく。 ・組合員の生活の維持・内需の底割れを防ぎ日本経済の回復に寄与するという観点から定昇制度の実施は大前提。 ・他産業に比べて所定外労働時間が長く年休取得率が低い。労働時間管理の徹底等の日常の取り組みや割増率の取り組み・労働基準法改正への対応などを通じて長時間労働の削減に取り組んでいく。 ・非常に厳しい状況ではあるが、そのような中でこそ組合員のやる気につながるような結果を出していかなければならない。安心して働ける環境作りに邁進する。 (事務局長まとめ) ・今次闘争を前に、経営側からは様々な話が出ているが、 @雇用の維持は当然のこと。中長期的にどう雇用を創出していくのか、日本の雇用をどうするのかを考えなければならない。 A賃金構造維持分や家族手当に踏み込むなどといった態度は言語道断。全く容認できない。 ・日本の競争力の源泉である生産性の高さや質の高い労働を維持するために、従来以上の人への投資が必要となっている。 ・従来以上に非正規労働者や連合の言う「全ての労働者」のための闘争を進めていかなければならない。 ・減少した年間総収入・可処分所得に歯止めをかけ、消費を上向かせ内需を拡大し、デフレを阻止し、景気浮揚への転換点となる闘争にしなければならない。 ・我々が努力をせずして、非正規の皆さんを含めた全ての労働者の処遇の底上げは果たせない。 ・春の交渉においては長年日本の労使が築いてきた「真摯に交渉すること」が一番重要であり放棄してはならない。また、JC共闘がトップランナーとして果たす役割は非常に重要であることに変わりはない。 |