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第96号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2019年10月31日)

航空宇宙労組の目標はグローバルな連帯の強化

2019-10-30

インダストリオール・グローバルユニオン傘下の世界で最も有力な航空宇宙労組が2019年10月23~25日にシンガポールで会合を開き、連帯を次のレベルに上げるために包括的なグローバル戦略を策定した。

航空宇宙産業は市場価値がほぼ8,500億米ドルで、500万人の労働者を雇用し、新しい国々に拡大している。拡大の原動力となっているのは、国際的存在感を高めたいという願望、各国の現地調達率、労働コスト削減によって利益率を上げようとする取り組みである。

「この産業は特にアジアで引き続き力強く成長すると予想される。大企業はすべて、真のグローバル企業に発展するための戦略を実施している。これを受けて主に欧米以外で、あらゆる種類の新しい事業(製造、研究、整備、訓練)が急成長するだろう」とアトレ・ホイエ・インダストリオール書記次長が述べた。

ボブ・マルティネス機械工労組(IAMAW)会長が米ボーイングの組合つぶしについて話し、このような戦術は今や世界中に広まっていると述べた。

「世界の航空宇宙産業は岐路に立たされている。1つの方向は、労働者が企業を成功に導く最も貴重な要因であるという当たり前の事実を無視する道に続いている。これは失敗に至る道だ。世界の航空宇宙労組が今すぐ行動を起こさなければ、ますます多くの企業が反組合的な方向に進むだろう」
「この産業は、誇りを持った組織労働者が企業の成功を推進するエンジンであることを認める道を選ばなければならない」

航空宇宙産業は手動操作中心だが、デジタル化と人工知能に基づく新しい生産技術を適用し始めている。

「コスト削減競争と不安定雇用の利用拡大は、安全基準の99%を達成しても人命に重大な影響をもたらしかねない産業において極めて危険だ」とゲオルク・ロイテルト・インダストリオール航空宇宙担当部長が述べた。

航空宇宙労組は、すべての場所で適正な労働条件と賃金を確保し、国際競争が原因で労働者同士が競争させられることのないようにするために協力すると約束した。

組合は次の計画を立てている。

1. 企業レベル、特にボーイング、エアバス、ロールスロイス、サフランで、グローバル組合ネットワークと従業員フォーラムを確立し発展させる。

2. 航空宇宙の新興国で組合その他のパートナーと緊密に協力し、特にインド、メキシコ、モロッコ、チュニジア、ベトナム、タイ、インドネシアでグローバルな労働基準が適用されるようにする。

3. 自動化、デジタル化および人工知能に関する専門家グループを設置し、社会的責任のある転換を保証する。

4. 運営委員会を通してグローバルに連携し、定期的な全体委員会やプロジェクト関連の小規模会合を開く。

5. アメリカ、特に南部で企業や政治家、圧力団体などによる反組合的な方針との闘いを強化する

6. 中国における航空宇宙産業の成長ならびに関連する労働組合問題に取り組む。

7. 多数の航空宇宙組合員がいるすべての加盟組合を部門別活動に再統合する。

8. ジェンダー平等を拡大し、より多くの若手労働組合員を活動に関与させるための戦略を策定する。

運営委員会は2020年1月の会合で上記の取り組みを推し進め、目標と期限を定めた測定可能な基準を明確にし、2021年の次のグローバル会合までに十分な進展を達成できるようにする。

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