インドの航空宇宙部門で組合の力を強化
2019-10-25
インダストリオール・グローバルユニオン航空宇宙運営委員会は、2019年10月21日にデリーへの初めての研究旅行でインドの航空宇宙労組代表と会談し、この部門におけるインダストリオール活動の拡大を共同で決議した。
インドの組合とフランス(FO)、ドイツ(IGメタル)およびイギリス(ユナイトとCSEU)から集まった航空宇宙運営委員会のメンバーは、インド航空宇宙産業の主要問題、南アジアの労働組合運動が直面している課題、航空宇宙部門で組合の力を強化する方法について議論した。
SNミシュラ教授が航空宇宙産業の概観を提供し、インド政府は航空宇宙産業の製造能力を高めるために研究開発資源を増強する必要があると主張した。
ヒンドスタン航空機(HAL)とタタ・ロッキード・マーチン・エアロストラクチャーズの労働組合代表が、インドの航空宇宙部門で社会的対話と結社の自由の権利を改善しようと苦労している現状を強調した。
運営委員会では、全インド・ヒンドスタン航空機労働組合調整委員会(AIHALTUCC)の先導で先ごろ実施されたHAL従業員2万人のストについて報告があった。HAL労働者は、カルナタカ高等裁判所の指示に従って10月22日にストを撤回したが、交渉によって引き続き賃上げを要求している。
アトレ・ホイエ・インダストリオール書記次長は次のように語った。
「インダストリオール航空宇宙運営委員会は、正当な賃上げを求めているHAL労働者との連帯を表明する。HAL経営陣とインド政府に対し、AIHALTUCCとの真の対話に真摯に取り組み、労働者の要求に対応するよう求める」
ゲオルク・ロイテルト・インダストリオール自動車・航空宇宙産業担当部長は次のように述べた。
「運営委員会メンバーは、さまざまな協力的メカニズムの模索を決定した。例えば、インド航空宇宙部門の労使関係に関する研究の実施、インドの組合との調整改善と情報共有による航空宇宙労組間の国際連帯構築などだ」
航空宇宙産業はインドで最も急成長を遂げている部門の1つである。この業界は防衛製品の製造が中心だが、民間航空機市場が急速に発展している。インドの大手企業として、HAL、バーラト・エレクトロニクス(BEL)、それにエアバスやボーイング、ロールスロイス、ハネウェル・エアロスペース、GEアビエーションといった多国籍企業が挙げられる。