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第164号インダストリオール・ウェブサイトニュース

ラテンアメリカの労働者、デュー・ディリジェンスの利用による権利擁護に期待

2023-11-17

2023年11月17日:ラテンアメリカ・カリブ海のインダストリオール加盟組織は、11月7日にブラジル・サンパウロで会合を開き、デュー・ディリジェンスを利用してサプライチェーン全体で労働者の権利を擁護する方法について議論した。


ケマル・ウズカン・インダストリオール書記次長が開会の辞を述べ、デュー・ディリジェンスについて発表、労働組合はどうすればデュー・ディリジェンスを利用して企業に労働権を尊重させ、サプライチェーンにおける侵害に責任を負わせることができるか説明した。

「サプライチェーンで侵害が発生した場合は、全員が責任を取らなければならない。すべての企業・政府が責任を分担する新しい法的環境を作る必要がある。デュー・ディリジェンス法のような拘束力のある規制措置によって、説明責任を確保する必要がある」とウズカンは述べた。

続いてOECD労働組合諮問委員会のブレイク・ハーウェルが、OECDは責任ある企業行動のためのデュー・ディリジェンス・ガイダンスを策定していると説明した。この文書は有意義なデュー・ディリジェンスを確保する方法を提示しており、まず侵害の防止・是正を目的に侵害に対する認識を高めている。このガイダンスは団体交渉と労働組合を優先させている、とハーウェルは強調した。

組合は、OECDのナショナル・コンタクト・ポイント(NCP)に苦情を申し立てたり、投資家や株主、検察官に関与して現状を説明したり、勧告を利用して企業によるガイドライン違反を示したりすることもできる、とハーウェルは付け加えた。

グレン・ムプファン・インダストリオール鉱業・労働安全衛生担当部長が、ラテンアメリカで労働組合の力を強化するために、人権デュー・ディリジェンスを理解して利用することの重要性について話した。この地域では大きな進展があり、コロンビア、チリ、ペルーなど数カ国の政府がすでにビジネスと人権に関する国家行動計画を策定しており、アルゼンチン、ホンジュラス、エクアドル、ブラジル、メキシコなども、そのような計画の起草段階にある、と彼は述べた。

IGメタルのアンジェリカ・ヒメネスとIGBCEのハネス・ハウケ・キューンが、ドイツで可決され、今年から適用され始めたデュー・ディリジェンス法について話した。この法律は予防的なアプローチを採用しており、企業が予防メカニズムを改良したり、機能していないプロセスや人権・労働権・環境権を脅かすプロセスを修正したりできるようにする措置を想定している、と彼らは指摘した。

労働組合はデュー・ディリジェンス・システムにおいて不可欠な役割を果たしているので、予防策や是正策について交渉し、職場での実施を支援することを視野に入れて、公認の社会的対話パートナーかつ責任ある団体交渉代表権者としての地位を強化することができている、と2人は強調した。

フリードリヒ・エーベルト財団(FES)代表のワルデリ・メーロが、ブラジルにおけるFESのデュー・ディリジェンス関連活動を取り上げ、FES-ブラジルは人権とビジネスに関する枠組み法の制定に関する法案(PL)572/2022の起草を支援し、貢献したと述べた、この法律は、公共政策の促進と、サプライチェーンにおける多国籍企業、その子会社および官民投資家の説明責任の指針を定めている。また、対話を確立したり、人権を侵害されている人や侵害の危険にさらされている人の利益を擁護したりするうえで、労働組合を合法的な主体として尊重・承認している。

マリーノ・バニ・インダストリオール地域事務所所長が次のように締めくくった。

「デュー・ディリジェンス法に精通し、サプライチェーンに問題があることを知っていれば、企業と話をすることができる。自分たちの権利を知っていれば、力を持ち、それを利用して門戸を開き、対立せずに合意に達することができる」

「企業は利益を増やすために、生産工程をサプライチェーンに分散させる戦略を利用している。労働組合ネットワークを利用して組合の圧力を強め、よりよく職場を組織化し、企業のサプライチェーン全体で労働者の権利を擁護することができる」

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