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第167号インダストリオール・ウェブサイトニュース

パキスタンの危険な船舶解撤場で労働者2人が死亡

2024-01-19

2024年1月19日:1月16日、パキスタンのガダニ船舶解撤場で、ばら積み貨物船での作業中に重い鉄板が落下し、労働者2人が死亡した。


長年にわたって、パキスタンの船舶解撤場では危険な労働条件が原因で、回避可能な死亡事故が多発している。今回は、パナマで登録されている築26年のばら積み貨物船キャサリン・ブライトの解体中に、解撤場60番でカシムとムスタファという名前の労働者が危険な労働条件の犠牲になった。

パキスタンで船舶解撤労働者を組織化しているインダストリオール加盟組織の全国労働組合連盟(NTUF)の報告では、解撤場の労働者は安全装具なしで働くことを強要されており、これは同国で職場の安全に重大な不備があることを示している。同労組によると、亡くなった労働者の遺体は真夜中に慌てて埋葬された。検死も犯罪捜査も行われなかった。

ナシル・マンスールNTUF会長は言う。

「ガダニ船舶解撤場は無法地帯として操業している。安全手順が実施されておらず、解撤場所有者と警察、政府当局が共謀して、これらの事故の本当の原因を隠し、真犯人が処罰されないようにすることがたびたびある。解撤場60番の事故の適切な調査を要求する」

パキスタンは先ごろ香港条約を批准し、2025年6月に条約が実施される。各国は香港条約の基準に従うために、船舶解撤場でインフラや医療施設、廃棄物処理メカニズムを改良する必要がある。

アトレ・ホイエ・インダストリオール書記長は言う。

「職場で安全対策が実施されていないために2人の労働者が命を落としたことは、実にゾッとする話だ。特に香港条約の批准を考えれば、パキスタン政府は船舶解撤場における職場の安全を深刻に受け止めなければならない」

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