自動車産業の公正な移行に向けて
2024-03-21
2024年3月21日:自動車産業は重大局面にあり、より持続可能で環境に優しいモビリティーへの切り替えという課題に直面している。この変化は車両の生産・利用方法だけでなく、全世界でこの部門を構成している何百万人もの労働者にも影響を及ぼす。この移行のさなかにあって、雇用と経済を保護する公正な打開策を確保しつつ、よりグリーンでより公平な未来に向かって進むことが必要不可欠である。
2050年までに気候中立性を達成する必要性に牽引され、世界の自動車産業は先例のない変化に見舞われている。この変化は社会・環境問題に対する義務を果たすうえで不可欠であり、製造や流通、販売、自動車関連企業(部品メーカーなど)で全世界200万人超の労働者に影響を及ぼす。
インダストリオール・グローバルユニオンは、スペインの加盟組織UGT FICAがバレンシアで開催した会議に参加。この会議は、自動車産業が直面している課題に取り組む重要な機会を提供した。製造所の適応から新しい職業上の経歴や技能、資格の確認に至る問題を取り上げ、企業と行政と労働組合が一丸となって共同で課題に取り組む方法について議論した。
マリアーノ・ホーヤUGT FICA書記長が、救済契約や労働時間短縮のような国内レベルの措置をいくつか要求した。
「救済契約は、この部門で世代交代と競争力を保証するうえで不可欠な要素とみなされている。ロボット化と脱炭素化に起因する労働市場の転換を考慮して、私たちは労働時間短縮にも目を向けている」
自動車産業で公正な整然とした移行を確保するために、企業、行政および組合が協力することが重要である。関係者全員の目標がかなり収束していることが、どのセッションでも明らかになった。すべての関係者が、前途に待ち受ける課題に取り組み、自動車産業と自動車労働者のために持続可能な未来を確保しようと、長期にわたって協力してきた。
インダストリオールのエネルギーと公正な移行担当部長を務めるダイアナ・ジュンケラ・キュリエルが、新たな形態の持続可能な推進力についてのプレゼンテーションを行い、一連の変化が労働者に及ぼす影響を強調した。この介入は、公正な移行にあたって利用可能な資金(移行を促進するために欧州連合が提供する資金など)を利用し、雇用の連続性と経済的安定を確保する必要があることを強調した。焦点は、円滑な移行の確保を前提として環境的に持続可能な措置を構築し、必要な再編や改編のための時間を取れるようにすることである。
ダイアナ・ジュンケラは次のように述べた。
「より持続可能な自動車産業への移行は、労働者の保護を優先させ、この変革プロセスへの労働者の積極的参加を確保しなければならない。労働組合は、今後の避けられない変化に適応する準備を整え、世界の自動車産業で労働権の擁護に関わり続けなければならない」
【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/towards-a-just-transition-in-the-automotive-industry