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第179号インダストリオール・ウェブサイトニュース

リバティー・スチールの危機が悪化

2024-07-30

2024年7月30日:ここ数日、大量解雇と破産、財政難のニュースが、オストラバ(チェコ)、チェンストホバ(ポーランド)、ドゥナウーイバーロシュ(ハンガリー)のリバティー・スチール労働者数千人に打撃を与えている。労働組合は公的機関に対し、ヨーロッパの戦略的な鉄鋼資産を破綻から救うために緊急措置を講じるよう要請している。


欧州大陸のリバティー・スチール鉄鋼工場の状況は2023年秋以降、着実に悪化している。先週、非情なリストラの発表で事態は急激な展開を見せ、欧州鉄鋼労働者の間に衝撃が走った。

リバティー・スチール経営陣は7月23日、チェコのオストラバ工場でコークス炉の閉鎖と鉄鋼製造施設の停止によって、大量のレイオフを推し進める意向を発表した。現在、最大2600人の労働者が余剰人員解雇のリスクに直面している。同社の破産により、解雇される労働者への事前通知と解雇手当の支払いが不透明になっている。チェコ共和国の労働局は7月29日、失業の脅威に直面するリバティー・オストラバ労働者を支援するために、キャリアガイダンスや再訓練、賃金補助金を含む支援計画を発表した。

インダストリオール・ヨーロッパ労働組合とインダストリオール・グローバルユニオンは、OS KOVOへの書簡で、この製鉄所で雇用を守るべく闘っているリバティー・オストラバ労働者との連帯を表明した。両組織は、リバティー・スチールの債権者であるチェコ政府と欧州委員会に責任を取るよう求めるOS KOVOの要求を全面的に支持している。

他のリバティー・スチール事業も、極めて憂慮すべき事態にさらされている。7月25日、チェンストホバの地方裁判所がポーランドのリバティー製鉄所の破産を宣告し、工場経営を引き継がせるために管財人を任命した。同社は裁判所の決定を不服として上訴した。ハンガリーでは、6月にリバティー・ドゥナウーイバーロシュで現地組合と合意した7月の一時金が支払われなかった。さらに、6月の労働協約で賃上げが予定されていたにもかかわらず、交代勤務スケジュールの強制的な変更が原因で、1,000人を超える労働者の賃金が30%カットされた。

インダストリオール・ヨーロッパ労働組合とインダストリオール・グローバルユニオンは、これらの決定を非難している。これはヨーロッパの戦略的な鉄鋼生産能力に不可逆的に損害を与え、何千人もの労働者とその家族の生活を脅かす恐れがある。労働組合は、労働者を誤った経営と公的機関による効果的な支援の欠如の矢面に立たせることは認めない、との立場を鮮明にしている。

ヨーロッパの戦略的な鉄鋼資産を破綻から守るために、公の行動が緊急に必要とされている。政策当局は真の鉄鋼アクション・プランに取り組まなければならない。

 

【原文記事URL】

https://www.industriall-union.org/liberty-steel-crisis-worsens

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