バングラデシュの船舶解撤場で大規模な爆発
2024-09-13
2024年9月13日:9月7日、香港条約に準拠したバングラデシュの船舶リサイクル施設で大規模な爆発が起こり、労働者4人が死亡、その他10人以上が重傷を負った。
爆発が起こったのはSNコーポレーション船舶解撤場で、スクラップ船のポンプ室で労働者たちがパイプを切断していたときである。インダストリオール加盟組織の報告によると、爆発のほんの数日前にも、同じ船でパイプ切断中に火災が発生した。経営側はその区画での作業停止を決定したが、その後作業が再開され、今度は破壊的な事故に至った。
これはSNコーポレーション船舶解撤場だけで見られる出来事ではない。組合によると、安全上のミスが原因で、今年だけで少なくとも4件の事故が発生している。報道によれば、9月7日の爆発を調査するために設置された調査委員会は、技術面・管理面両方の落ち度が爆発を招いたことを確認した。
SNコーポレーションのユニット2は、2023年3月に香港条約の遵守証明書を取得し、バングラデシュで2番目に国際海事機構の安全かつ環境上適正なシップリサイクルのためのガイドラインに準拠する解撤場になった。香港条約の遵守のために、同社は船舶リサイクル計画を立てなければならない。
ガイドラインには、船舶リサイクル施設は「安全な熱作業区域」が証明されるまで、以下の空間で熱作業を開始しないようにしなければならないと明記されている。
(i)危険な大気状態を潜在的に含有する密閉空間
(ii)可燃性または引火性の液体または気体を含有しているか、含有していた空 間の内部、上部またはすぐ近隣
(iii)燃料を含有しているか、最近含有していた燃料タンクの内部、上部またはすぐ近隣
(iv)燃料を含有しているか、最近含有していた空間に接続されているパイプライン、加熱コイル、ポンプ接続金具またはその他の付属品の上部
(v)危険な大気状態を含有していないビルジ、貨物室、エンジンルーム空間およびボイラー空間
ウォルトン・パントランド・インダストリオール造船・船舶解撤担当部長は言う。
「この解撤場は遵守証明書を取得しているが、切断開始前に可燃物を取り除かなければならないことを明確にしている正しい手順に従っていなかったことは明らかだ。同社は船舶リサイクル計画を作成したか。なぜ計画に従わなかったのか。なぜ誰も計画を監視していなかったのか。この許せない過失が原因で労働者が命を落とした。
「これは香港条約がそれだけでは十分ではないことを示している。条約を遵守させるには、現場で独立した政府視察と強力な組合が必要だ。加えて船主は、船の売却先の解撤場の遵守状況を監視すべきだ」
インダストリオール加盟組織は、犠牲者への補償と負傷した労働者のリハビリを要求している。報道によると、環境省はSNコーポレーションのユニット2の認可を一時停止した。
アシュトシュ・バッタチャリア・インダストリオール南アジア地域事務所所長は言う。
「バングラデシュの船舶解撤部門の加盟組織と連帯し、SNコーポレーションの船舶リサイクル施設の爆発事故で非業の死を遂げた労働を追悼する。この破壊的な事故は過去の事故とともに、安全規制実施の厳格化と、危険な産業で働く労働者の保護強化が急務であることを浮き彫りにしている。怠慢や安全手順の不遵守が原因で労働者の命が奪われることは、決してあってはならない。このような悲劇が繰り返されないようにするために緊急行動を要求する」
写真:バングラデシュのSNコーポレーション船舶解撤場
【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/deadly-explosion-at-shipyard-in-bangladesh