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第183号インダストリオール・ウェブサイトニュース

インダストリオールの女性がAIの偏見とGBVHに対処

2024-11-13


インダストリオール女性委員会は11月6-7日にバーチャル会議を開き、部門の垣根を越えたジェンダー平等の促進について議論した。際立ったテーマは、人工知能(AI)、デュー・ディリジェンス、ジェンダーに基づく暴力とハラスメント(GBVH)、刺激を与えるパイロット指導プログラムだった。


AIの影響が広がる中、女性委員会は、職場へのAI統合にジェンダー・トランスフォーマティブ・アプローチで取り組む必要があることを強調した。フランス平等研究所のミュリエル・ガルニエが、AIのジェンダー差別と、アルゴリズム主導のシステム内で固定観念が再生産されるリスクを強調した。ガルニエは次のように述べた。

「AI開発者の88%が男性で、男性がアルゴリズムを設計すると固定観念やジェンダー差別を永続させることが多い」

彼女は、技術分野への女性参画不足に取り組むことの重要性を強調した。フランスでは、女性の15%しかデジタル技術部門で働いていない。

ユニオネン(スウェーデン)のオーレ・ブリンヤも同じ懸念を表明し、AIには職場の差別を補強あるいは解体する可能性があると指摘した。

「AIの決定が偏見を持ったデータに基づいていれば、この技術は差別を打破するのではなく補強する危険がある」とブリンヤは述べた。

ガルニエもブリンヤも説明責任の重要性を強調し、AIシステムの評価・監査を厳格化して不平等を永続させないようにすることを要求した。このアプローチは、AIの設計・展開の基本原則としてジェンダー平等を支持するAI方針の策定というインダストリオールのコミットメントに沿ったものである。

ジェーン・ピリンジャーが、特にバッテリーサプライチェーンでGBVHを防止するためのインダストリオールのツールキットについて話した。ピリンジャーは、人権デュー・ディリジェンスにGBVH防止を統合するための変革的な枠組みとして、第190号条約を紹介した。これは安全で公平な職場を促進するために不可欠な手順である。

「ジェンダーに基づく暴力とハラスメントは、単なる職場の問題ではなく、グローバル・サプライチェーン全体で取り組まなければならない人権侵害だ」とピリンジャーは述べた。

彼女は、方針の策定から結果の軽減・追跡まで、企業が責任あるビジネス慣習を採用しやすくするための6段階プロセスを概説した。この体系的なアプローチは労働組合に、企業に責任を負わせ、GBVH防止がサプライチェーンのすべての層に埋め込まれるようにする権限を与える。

ピリンジャーは、ジェンダーに対応したリスク評価の支持・交渉における労働組合の役割も強調し、「労働組合はリスクの確認を援助し、企業が労働者保護義務を十分に果たしていない場合に証拠を提供することができる」と示唆した。

これはGBVH、女性蔑視および性差別に対するインダストリオールの継続的キャンペーンの参考になった。このキャンペーンには、来る16日間の活動や#NoExcuseキャンペーンのような啓蒙活動が含まれる。

2日目には、LOノルウェーの支援による新しいインダストリオール指導イニシアティブを強調した。目的は、サハラ以南アフリカのタンザニア、マラウイ、ガーナおよびラテンアメリカのペルー、コロンビアで、27人の若い女性の権利を拡大することである。両地域のメンティーとメンターの証言により、このプロジェクトの進展が強調され、女性のリーダーシップ開発に変革的な影響を与えていることが示された。

ガーナPUWUのメンティー、ミルドレッド・アッドが、メンターシップのおかげで自信が深まったことを説明した。

「メンターシップは私のような若い女性に、リーダーシップを取る権利を与え、国内・国際両レベルで影響を及ぼす自信を持たせてくれた。6カ月前なら、そんな勇気はなかっただろう」と彼女は語った。

彼女の経験は、指導プログラムに成長のサイクルを生み出す可能性があり、メンティーはそこで身につけた技能をその後他の人に伝えることができることを明確にしている。

若手指導者を指導している同じ組合のジョイス・マク・アッピアが、メンターシップは独立心と自信を持たせるうえで重要だと述べた。

「メンターシップは指導だけの問題ではない。若手指導者が自立し、革新的に行動し、自信をもって先導するよう後押しすることだ」と彼女は述べた。

ハシュメヤ・ムフセン・アルサーダウィ、イルバナ・スマイロビッチ両共同議長が、集団行動によって変化を推進することの必要性を力説した。女性委員会は、GBVHと性差別に対するインダストリオールの進行中のキャンペーンを見直し、ジェンダー平等イニシアティブに男性を関与させるUGTT衣料女性センターと韓国KTCUのIMAGINE教育プログラムに関する最新情報も提供した。

規約とアクション・プランへのジェンダー統合に焦点を絞って、インダストリオール大会を見据えた議論も行った。このセッションでは、より強力なジェンダー視点を取り入れるための修正案を検討した。最後に女性委員会は、ジェンダーを労働安全衛生の主流に組み入れる努力や、公平な賃金交渉を確保するための努力など、2025年の優先課題を明確にした。

「真に公平で包括的な職場の構築に尽力している」とクリスティン・オリビエ・インダストリオール書記次長は述べた。

「ここでの議論で、偏見を積極的に防止するAI方針の確立から、ジェンダーに基づく暴力への取り組みにおける人権デュー・ディリジェンスの導入まで、ジェンダー平等に関する真の進歩に向けた強力なロードマップを計画した。この刺激を与える指導プログラムは、どうすれば若い女性を引き上げ、先頭に立って変化を推進する準備をさせることができるかを示している。方針の支持、メンターシップ、確固たるデュー・ディリジェンスをまとめることによって、私たちは、女性が全部門にわたって繁栄できる未来への道を切り開いている」

【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/industriall-women-tackle-ai-bias-and-gbvh

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