インドの組合指導者、素材金属部門と鉱業部門の労働者問題を中心に議論
2024-09-20
インダストリオールは9月上旬、インドのコルカタで素材金属部門と鉱業部門の労組指導者を対象にワークショップを開催、両部門における労働者の課題を詳述した。
9月7-8日に開催された素材金属ワークショップには、合計29人の労働組合員が参加した。組合指導者たちは、ビライ、ビシャカパトナム、ドゥルガプル、ボカロ、バーンプール、ルールケーラーのBALCO、タタ・スチール、その他の製鉄所など、国内の主要素材金属工場を代表していた。9月9-10日に開催された鉱業ワークショップには、コール・インディア・リミテッドの子会社数社、国営鉱物開発公社、タタ炭坑、インド鉄鋼公社の鉄鉱石鉱山から、およそ22人の労働組合員が参加した。
組合指導者たちは、高い生産圧力、有能な人材の深刻な不足、増え続ける不安定労働者、公共部門製鉄会社の民営化、鉱山の外部委託と閉鎖、職場の深刻な安全衛生問題に言及した。
さらに、女性労働者・若年労働者の組合への参画比率が低いこと、組合員数が減少していることも、緊急の課題に挙げた。技術変化と気候変動は、この部門の労働者にさらなる課題(雇用不安の喚起など)をもたらしている。
参加者は、組合の力の強化、より包括的な組合の構築、政府の公営企業民営化政策や不安定雇用との闘いの必要性を強調した。もう1つ強調されたのは、ESG(環境・社会・ガバナンス)基準に関する会社の方針をめぐる議論に組合を参加させることだった。両ワークショップは、インドの素材金属産業と鉱業で労働者が直面する課題に取り組むにあたり、組合の連帯と効果的な戦略が重要だと力説した。
インダストリオール地域事務所チームは、コール・インディア・リミテッドの公正な移行に関する計画についてもっと学ぶために同社会長とも会談し、これらの方針を立案する際に労働組合も参加させることの必要性を強調した。
インダストリオール・チームは、地下鉱山のニムチャ炭坑と露天掘りのNorth Searsole鉱山(いずれもコール・インディア・リミテッド子会社のEastern Coalfields Limitedが運営)も視察した。視察の目的は、鉱山の労働条件と労働安全衛生を理解することだった。
アシュトシュ・バッタチャリア・インダストリオール南アジア地域事務所所長は次のように述べた。
「インダストリオール加盟組織と労働組合は、労働者の権利を優先させて生活を保護する公正な移行を確保するうえで、重要な役割を果たすことができる。組合の積極的な参加は、気候変動に取り組むだけでなく、職場の安全衛生も保証する方針を作成するために欠かせない。持続可能な未来は、すべての労働者にとって包括的、公正かつ確実でなければならない。持続可能な産業の形成に取り組むインドのすべての加盟組織との連帯を表明する」
【原文記事URL】
https://www.industriall-union.org/challenges-facing-workers-in-base-metal-and-mining-sectors