第44回協議委員会

本部答弁

阿島事務局長

雇用と生活を守りきる

 大方のご意見が、JC本部の運動を支えていこうという強い決意のご意見だったと思います。ほんとうにありがとうございました。
 2つほど申し上げたいと思います。一つは、やはり雇用の問題です。この間の連合の中央委員会の資料の中に、連合の労働相談室の電話の内容が細かく出ております。それから、失業者に対するアンケートも載っておりますので、ぜひ読んでいただきたいと思います。

その中には、日本に労働基本権というのはあるのかなと、ほんとうに悲しくなるほどひどい実態が寄せられています。我々の組合員をああいうような事態に追い込まないためにも、今度の春闘では絶対頑張っていこうと決意しております。雇用安定協定を結ぼうという固い決意を持っておられる産別が先ほど来ある発表されましたけれども、ぜひ労使でそういうような悲惨な失業者を増やさないように努力をお願いしたいと思っています。

 もう一つは、黒字の企業だとか業績のいい企業は、やはりきちっとベアを取ったということを示さないと、金属労協としての春闘というものは成功しないと思います。また、金属労協を見ながら春闘をする産別がたくさんあるわけですので、ベアを取れるところはぜひ最大の努力をして獲得していただきたいと思いますし、また、金属労協全体でそういう産別を支えていきたいと考えています。


鈴木議長

社会的な責任を果たす

 この2002年闘争方針の情勢分析のところで詳細な分析をしている通り、まさしく今日、日本の経済はこのままで行けば、かつてのアメリカの歩んだ道を、双子の赤字という意味では、日本も歩むのではないかということが本当に懸念をされています。
 そしてまた同時に、国内産業における金属産業者、先ほどは製造業の推移、金属労働者の雇用者数の推移を申し上げましたが、産業における雇用の空洞化は大変顕著になりつつあるわけですので、そうした意味では、金属労使会議がまずそうしたことに労使共通の立場に立って対策を論議していく必要があると考えます。

このままでいけば、結果として貿易黒字が生まれなくなった日本は、そのまま生きるとすれば、国際通貨基金IMFの管理下で指導を受けるのか、あるいは江戸時代の鎖国に戻るのかということの選択なのでありましょうから、そうした極端なことはいろいろ問題がありますが、選択の道としてはそういうことにならざるを得ないわけでありますから、その部分でいけば、よく言われる日本の高コスト構造と言われる内外価格差の問題、いわば日本においては生産性の低い部門のコスト吸収が価格に転嫁されることによって、結果としてそれが日本全体の高コストの要因になっているということについても、金属産業としての主張がなければならないのだろうと思います。
 ある意味では、そうしたことがあまり強く出過ぎますと、産業間の利害対立の様相も見せてくるのではないかということが懸念されますし、また、ご意見にありましたとおり、その中で連合がどのような調整をしていくかということも大きな課題になると思います。
 いずれにしましても、国際競争の前面にさらされている金属産業、そして、今までは貿易も黒字を稼ぎ、かつ生産性を高めてきた私たち金属産業の労働者が、鉄鋼労連の代表からの意見表明にもありましたとおり、雇用の確保のために社会的な責任を果たしていこうという役割を果たすと共に、一方では、ただいま事務局長からお答えをしましたとおり、そうした従業員の協力にいかにこたえるかという意味でのベア要求に取り組む産業別組織があり、それがまた一方で社会的責任を果たすという役割を担っているわけであります。
 ぜひJC共闘としては、この2つの役割、使命というものを全加盟組合が自覚をする中で、この2002年闘争を成果あらしめるために、JC本部も全力を尽くしたいと考えていますので、各単産におかれましても、そうした趣旨で来年春の闘争に向けての準備に万々怠りのないようよろしくお願いします。

<このページのトップへ>

<目次に戻る>