HOME

2002年闘争推進集会アピール

2002年闘争は、重大な局面を迎えている。
デフレスパイラル阻止と景気の底支えをめざし、組合員の「雇用の維持・確保と生活の安定」を確立することが、今次闘争の重要な役割である。

 しかしながら経営側は、「あらゆる面で競争力を再生することが最優先課題であり、総額人件費の適正化をすべきである」と繰り返し主張し、マクロを全く無視したミクロの経営論理に拘泥しつづけている。雇用の維持・確保について、一部経営者団体から前向きな見解を引き出したものの、労働条件部分については、具体的な進展がないまま現在に至っている。
交渉において経営側は、

○雇用については、会社施策の制約につながる協定締結には、慎重にならざるを得ない。
○賃金を引き上げる理由は見当たらない。現行の水準確保すら困難な状況にある。
○一時金は、現時点の会社実態での適正水準を根元から検討したい。
○60歳以降の就労確保については、60歳までの雇用を守ることが最優先課題である。

などと、組合要求のほとんどに対して否定的な見解を示しており、労使がこれまで積み上げてきた制度や考え方についても変更すべきであると主張するなど、交渉における労使の隔たりは依然として大きいままとなっている。

このような経営側の態度は、日々企業の発展と生産性向上に協力・努力する組合員の気持ちを踏みにじるものであり、日本経済・社会を更に深刻な縮小の悪循環に追い込むものである。
 組合員はこれまで、総額人件費の引き下げによって厳しい生活を余儀なくされながらも、生産性向上や構造改革を自らの課題として、懸命に協力・努力をしている。その積み重ねが今日の産業・企業の発展をもたらしていることを忘れてはならない。金属産業をはじめとするものづくり・製造業の発展なくして、日本の経済・社会の発展はありえない。組合員の雇用と生活が危機的な状況にある今、それを守るのは経営の責任であり、労使の責務である。また、生産性向上などによって収益を確保している以上、ベアなどの要求に応えるのも、当然の経営責務である。

 JC各産別は、共闘の重みを相互に認識し、JC共闘一丸となってこの状況を打開すべく、以下の方針に則り、最後まで徹底して交渉を展開していくこととする。

○雇用安定協定の締結などを含め、「雇用の維持・確保」を果たす。
○賃金については、すべての組合で「賃金構造維持分を確保」し、「ベア獲得をめざす」組合をJC共闘全体で支える。
○一時金は、組合員の協力・努力と切実な思いに応えるべく、底支えを図り、「水準の維持・向上」を果たす。
○60歳以降の就労確保は、これまでの成果をもとに「具体的な前進」につなげる。

以上、「2002年闘争推進集会」の総意として確認する。

2002年3月1日
全日本金属産業労働組合協議会
2002年闘争推進集会

<このページのトップへ>

<目次に戻る>