HOME

第7回戦術委員会確認事項

2003年3月12日
全日本金属産業労働組合協議会
(IMF−JC)


金属労協は、集中回答日である本日午前11時30分より第7回戦術委員会を開催し、現時点での回答に対する見解、ならびにJC共闘の今後の進め方を次のとおり確認した。

.2003年闘争は、デフレが進行し、経済活動が縮小するなかで、失業率が既往最悪を更新し、産業間および同一産業内の企業においても業績格差が一段と拡大するもとでの交渉となった。
われわれは2003年闘争を、春闘改革に向けた第一ステップと位置づけ、個別銘柄別の絶対額賃金水準の重視、JCミニマム運動、一時金の最低獲得水準の明示などにより、雇用と生活不安払拭のため、成果の獲得につなげるべく闘争を展開してきた。
しかしながら経営側は、「競争に生き残るためには、人件費を含めた固定費の圧縮は避けて通れない課題である」「一時金については、業績が楽観できる状況になく、慎重に検討せざるを得ない」との主張に加え、産業によって違いがあるものの、賃金構造維持分など労使がこれまで積み上げてきた制度や考え方についても変更を主張するなど、従来にない対応を迫るなかでの取り組みとなった。
われわれは、こうした経営側の対応は、デフレスパイラル阻止というマクロの視点を全く欠いたものであるばかりか、日々企業の発展と生産性向上に協力・努力してきた組合員の気持ちを踏みにじるものであり、日本経済・社会を更に深刻な縮小の悪循環に追い込むものであるとして、3月7日の第5回戦術委員会の方針に基づいて、不退転の決意で団体交渉を展開してきた。

.集中回答日である本日正午現在、金属労協集計対象A組合66組合中、44組合で回答を引き出した。
賃金構造維持分の確保については、「賃金水準の維持は困難」との経営側主張が続いたものの、本日回答を引き出した組合においては、定昇の実施等によって賃金構造維持分を確保し、現行賃金水準を維持している。また、ベア要求を行った自動車総連傘下の主要組合では、有額回答を引き出すことができた。賃金構造維持分を確保したことは、デフレスパイラル阻止に向けた底支えの取り組みとして、一定の役割を遂行し得たものと考える。
一時金は、業績回復を果たした産別・単組が水準を回復する一方で、昨年額を割り込む組合が出るなど、業況による違いが拡大することとなった。しかしながら、JC全体としては、一時金水準について一定の回復を果たしたものと受け止める。今後、この成果を中小労組等の取り組みに結び付けるべく、JC共闘を強化していくとともに、生活安定の観点から、最低でも年間4カ月を確保すべく、取り組みを推進していくこととする。
また、電機連合では、極めて交渉が難航したものの18歳最賃協定の500円上積みを引き出した。

.各産別は、JC共闘体制を堅持し、交渉を継続する産別ならびに企業連・単組を全面的に支えていく。特に中小組合については、金融不安や企業間の取引の見直しなどにより、さらに厳しく困難な交渉になるものと想定されるだけに、産別の強力な指導のもと、3月月内決着に向け交渉を強化していくこととする。
また、JCミニマム運動によって、JCミニマム(35歳)の確保、最低賃金協定の締結、法定産業別最低賃金の取り組み、の3つの取り組みを連動させることによって、金属産業の賃金の底支えを図ることとする。
なお、賃金・処遇制度の改定は、2003年闘争とは切り離して別途協議を行うこととする。具体的な制度改定においては、各産別の指導のもとで労働組合が積極的に関与し、単に人件費抑制に主眼をおいた制度改定に陥ることがないよう、透明で納得性の高い賃金・処遇制度を構築することとする。

.次回第8回戦術委員会は、4月3日(木)15:30より開催する。

以 上

<このページのトップへ>
<目次に戻る>