タイの組合が最低賃金引き上げ求めて運動
2015-07-14
タイのインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織は、全国最低賃金を1日8.8米ドルから10.6米ドルに引き上げるために、すべての部門の組合とともに運動している。組合は、最低賃金が県によって異なる地域別構造に復帰する計画にも反対している。
インラック・シナワトラ前政権は2013年、賃金を215バーツから現行水準に引き上げた。20%という現在の労働組合の増額要求は、このところ労働者の生活費が大幅に上昇している実情に基づいている。
キャンペーンを推進している労働組合はタイ労働者連帯委員会(TLSC)の傘下団体である。インダストリオール加盟組織は、タイ産業労働組合総連合(CILT)とタイ電子・電気機器・自動車・金属労働組合総連合会(TEAM)を通して関与している。
TLSCとそのすべての加盟組織は7月9日にタイ全国で協調的行動を起こし、各県知事に請願書を同時に提出して賃上げ支持を要求するとともに、全国最低賃金制度の維持を主張した。
6月25日、TLSCの全加盟組織が政府庁舎まで合同で行進し、プラユット・チャンオチャ首相に声明を提出した。
ヨンユット・メンタパオCILT会長はインダストリオールに次のように述べた。
「最低賃金の引き上げを求めて交渉するたびに、いつも数々の否定的なコメントを受けるが、TLSCの要求は調査に基づいており、国民の1日当たりの生活費を反映していることは確認済みだ」 「使用者にとって、労働者は生産システムの材料にすぎず、タイはまだ中核的なILO第87号条約および第98号条約を批准していない。このために労働者が工場レベルで団体交渉を行うことは困難であり、労働運動は政策レベルでしか運動できない」「標準的な全国最低賃金はタイの労働者にとって、社会的公正、社会的不公平の縮小、高賃金地域への移動による移民労働者問題に関して重要だ」
インダストリオール・グローバルユニオンのアニー・アドビエント地域事務所所長はこう述べた。
「インダストリオールは地域全体で生活賃金を求めて闘っている。カンボジア、ミャンマー、インドネシア、フィリピン、ベトナムの労働者全員が適正賃金を求めて結集しており、インダストリオール加盟組織は彼らの闘いの中心となっている。今後とも、この目標に焦点を当てていく」
タイ商業会議所は最低賃金の引き上げに強く反対しており、将来的に県レベルでの変更を支持している。タイの製造会社を対象とする6月の調査の結果、使用者があらゆる最低賃金増額に抵抗していることが分かった。タイ工業連盟は先ごろ政府に対し、県ベースでの最低賃金変更を検討するために新しい政労使委員会を設置するよう求めた。
タイの公式失業率は1%未満である。