広報ニュース

第39号インダストリオール・ウェブサイトニュース(2015年7月)

メキシコの自動車労働者に権限を付与

2015-07-16

インダストリオール自動車産業ワークショップ(2015年7月、メキシコ)

 インダストリオール・グローバルユニオンは、7月初めにフリードリヒ・エーベルト財団(FES)の支援を受けてワークショップを開催、その主な目的は、グローバルな連帯の利用と連携の強化によって、好況に沸くメキシコの自動車産業で行動のルールを変えることだった。

  7月7~8日の行事には、この部門で労働協約を取り決めているカナダ、ドイツ、イタリア、日本、メキシコの組合代表、主要な研究者・労働専門家、インダストリオールとFESの役員が参加した。この種のグローバルなワークショップが開かれたのは、今回が3回目である。

 メキシコは現在、世界第4位の自動車輸出国で、58万人の労働者を雇用しており、この人数は今後数年間に大幅に増加しそうである。

  この急増の理由は、メキシコの最低賃金が中国により20%低く、ラテンアメリカで最低水準にあることだ。メキシコには自由で独立した組合がまったくと言っていいほど存在せず、労働協約の90%が「保護協約」(「代表」(多くの場合弁護士)が労働者に知らせて同意を得ることなく締結した偽りの協約)である。これらの不正な利益に、熟練労働者を利用できるメリット、北米市場への近さ、安定した輸出産業が加わって、メキシコは世界中の多国籍自動車会社にとって抵抗し難い魅力を持つ国となっている。

  ヘルムート・レンゼ・インダストリオール自動車担当部長は言う。

 「インダストリオールと自動車部門の主要な加盟組織は、メキシコの自動車労働者の賃金・労働条件改善を支援するために専心している。世界中の多国籍企業を相手にすることは、さまざまな企業文化や労働組合文化に対処することを意味する。ここで重要なのは、たとえアプローチが異なっても目標はぶれないようにすることだ」「特定の職場で具体的な行動を起こし、メキシコの労働者のために真の変化を引き起こすことを活動の基盤としなければならない。そして、メキシコ国内外で一致協力し、個別的な努力から集団的な努力に移行していくよう確保しなければならない」

 フェルナンド・ロペス・インダストリオール書記次長が、インダストリオールは引き続き世界的なネットワーク、従業員代表委員会、グローバル枠組み協定を利用し、自動車組立工場と自動車部品サプライチェーンの両方で真の組合を構築していくと付け加えた。

 「組合が本当に労働者を代表して守りたいと考えているのなら、私たちは組合を支援する用意がある」

 インダストリオールとIGメタルの代表はBMWの状況打開に取り組んだ。同社では現地経営陣が昨年、2017年の工場開設予定を3年後に控えて、インターネットで「保護協約」を受け入れた。代表たちは、ホンダ工場で承認を求めて闘っているインダストリオール加盟組織STUHMへの全面的な支援を再確認することも約束した。

  参加者は宣言を採択、メキシコ政府に今年の国際労働総会の勧告に基づく約束を守らせ、メキシコによるILO第98号条約の批准への要求を支援し、連携と団体交渉を改善することに合意した。

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