アランの船舶リサイクル施設、香港条約の遵守を宣言
2015-11-04
世界最大の船舶解撤現場である西インドのアランが、香港条約の安全性・持続可能性基準の遵守に関して民間の認証を受け、注目を浴びている。
規模の大きい船級協会である日本海事協会が、アランの船舶リサイクル施設に香港条約への適合証(SoC)を授与した。
松崎寛インダストリオール造船・船舶解撤部門担当部長は次のようにコメントした。
「これは船舶解撤場で労働者の命を守るための具体的な一歩だ」「インダストリオールは、船舶解撤を改善するすべての国際的な取り組みを歓迎し、すべての利害関係者に対し、ともに考え、ともに行動し、ともに労働安全衛生を改善するよう促す。私たちはこの産業の雇用を安全で持続可能なものにしようと決意しており、そのために、香港条約の批准と実施を求めて運動している」「日本海事協会に認証された施設をはじめとする利害関係者が最優良事例を共有し、全世界すべての現場で労働安全衛生を改善すべきだ」。
アジア船主フォーラム(ASF)も今回の認証を歓迎している。ASFは、オーストラリア、中国、香港、インド、日本、韓国、中華台北、ASEANの8つの船主協会で構成される。それらのASFメンバーは、世界の商船隊の約50%を管理していると推定される。
ASFシップリサイクリング委員会の委員長を務めるフランク・ルー博士は次のように述べた。「世界中の船舶リサイクル施設が、香港条約の精神と要件に従って、安全で環境に優しいリサイクル事業を開発・維持できることを証明してくれるよう心から望んでいる。そのような行動は、発展途上の船舶リサイクル施設の見本となり、一層の改善を促すことができるだろう。ASFメンバーは、その一方で引き続き政府に対し、できるだけ早い機会に香港条約を批准するよう求めていく」