東南アジアの女性組合幹部が権利を要求
2015-12-01
カンボジア、インドネシア、ミャンマー、フィリピンのインダストリオール・グローバルユニオン加盟組織の女性指導者約50人が11月に会合を開催、全国・地方組合の全レベルで女性・ジェンダー機構を強化し、各国で母性保護を改善すべく取り組んだ。どの国でも、特に繊維・衣料・製靴・皮革産業と電子産業で大勢の女性労働者が働いている。
11月24~25日に開催されたこの2日間の会議「男女平等の達成と職場における母性保護の改善」で、地域の母性保護キャンペーンが始まった。カンボジア、インドネシア、フィリピン、ミャンマーでの母性保護に関する研究が発表され、制度の違いと弱点が紹介された。
約1,600人の女性を対象とする研究の結果、カンボジアでは政策・意思決定レベルの女性参画率が40%以上であり、場所によっては90%にも達していることが分かった。しかし、女性労働者の労働条件はとても適正とは言えず、母性保護のレベルは国際基準をはるかに下回っている。
インドネシアでは、多くの女性が週6日、1日9時間以上働いており、26%が常に夜勤に従事している。女性の7%が、妊娠を理由とする意に沿わない異動を体験していた。16%が妊娠中の休暇取得を許可されず、23%が復職時に職場での授乳を認められなかったと報告した。
ミャンマーでは、研究の結果、特に女性・ジェンダー政策に関して職場に大きな制限や課題のあることが確認された。研究対象職場のほぼすべて(97%)で、例えば訓練や昇進の機会が与えられていなかった。インタビューした女性の94%が、セクシャル・ハラスメントや女性に対する暴力と闘う政策のことを知らなかった。
フィリピンでは、85%の女性労働者が問題なく出産手当を受給し、出産休暇後に職場に復帰していた。しかし、契約・派遣労働者を取り巻く状況は悪く、妊娠すると契約が自動的に打ち切られる。そしてインフォーマル・セクターや非標準的な雇用形態で働く女性は、出産手当がまったくない。
フィリピンの現行出産手当は1997年から実施されており、出産休暇日数の面で他の東南アジア諸国に後れを取っている。
ワークショップ参加者は、女性が各国で実施すべき戦略・活動を盛り込んだ具体的な行動計画を考案した。また、母性保護に関するILO条約の批准や、連合団体・地方組合レベルにおけるジェンダー割り当てを要求する方針も確認した。