全米鉄鋼労組、アルセロール・ミッタルに公正な協約を求めて結集
2016-01-28
全米鉄鋼労組(USW)の組合員、退職者および支持者約100人が、2016年1月27日朝のラッシュアワーにシカゴ中心部のアルセロール・ミッタル本社前で集会を開き、ラクシュミ・ミッタル同社グループ会長兼CEOに直接「今すぐ公正な協約を!」という明瞭なメッセージを伝えた。
ミッタルと退任間近のルー・ショーシュ・アルセロール・ミッタル南北アメリカCEOが、社内からUSWの集会に歩み寄って組合員代表団を招き入れ、コーヒーを飲みながら諸問題をめぐり簡潔に討議した。
代表団は社内に入るとミッタルとショーシュに対し、協約に関するアルセロール・ミッタルの要求に数万人の現役・退職労働者が連帯して反対していること、USWとしては同社が組合員の権利・給付を奪い取ることを認めるわけにはいかず、退職者の健康保険料を3倍に増額することは許容しないと伝えた。
「会社側の要求を飲めば組合員と退職者の生活水準がたちまち下がってしまう」と、アルセロール・ミッタルとの交渉を主導するUSW第1地区責任者のデービッド・マッコールは語った。「さらに、会社側の案は明らかに、今後の交渉で組合員の給付を守るUSWの能力を弱めようとしている」と述べた。
2015年9月1日にアルセロール・ミッタルとの協約が失効して以来、インディアナ、イリノイ、オハイオ、ペンシルベニア、ウェストバージニア、ミネソタ、サウスカロライナ、ルイジアナ各州の同社施設では、1万3,000人以上の労働者が旧協約の条件に基づいて働き続けており、経営側が大幅な譲歩を要求しているために新協約をめぐる交渉が遅れている。
USWの報告によると協約交渉はある程度進展しているが、アルセロール・ミッタルは現役・退職労働者の給付計画の大幅な変更をはじめ、不公正・不必要な譲歩をしつこく要求している。
「これらの要求をかわし、数十年分の団体交渉の進展を帳消しにしようとする同社の際限のない執拗な試みをくじくために、これからも団結しなければならない」とマッコールは述べた。
USWはアルセロール・ミッタルとの公正な協約に向けて誠実に交渉すべく取り組み続けており、交渉委員会は同労組が目的を果たすと確信している。
フェルナンド・ロペス・インダストリオール・グローバルユニオン書記次長はUSWのこの闘争に対して、「インダストリオール・グローバルユニオンは加盟組織である全米鉄鋼労組(USW)を支援し、アルセロール・ミッタルに対し、約束された給付に対する権利を有する労働者の正当な要求に耳を傾けるよう要求する」と述べた。